好きじゃき、やれるっとっちゃろ。
今日、ついに三十路に突入してしまいました。
振り返って、自分の十代、二十代に何の後悔もありません。
三十代も、そう言い切れる10年間にしたいと思います。
それはそうと、今森林組合の研修の仕事で宮崎に来ているのですが、今夜ついさっき、とてもナイスな言葉を聞きました。
「好きじゃき、やれるっとちゃろ。他の人がやらんき、やっとっちゃろ。」
この言葉の発言者は、宮崎県高千穂の森林組合に勤める20代前半の青年。
彼は、20歳の時に自分のお金で山を一町歩買ったそうです。(ちなみに、東京ドームより広い面積です。)
服装や髪型が今風なので、意外な感じがして、あれこれ聞いてみました。
森林組合に勤めはじめてまもなくの頃、実家の近くの共有林が皆伐され(裸地のまま)売りに出されたものを購入したとのこと。それから毎年のように、夏の炎天下の下刈りを一人で続けているのだそうだ。
滝のような汗をかき、蜂にさされ、マムシに噛まれそうになりながらの下刈り。夕立でびしょびしょに濡れることもしょっちゅう。それが、1週間以上も続く。しんどくて、しんどくてしょうがない。これから刈らないといけないところを見るとげんなりしてしまう。そう話す。
「そんなしんどいんなら、なんで買ってまでやってるん?」と聞いた私に、彼が地の言葉で言い切ったのが、
「好きじゃき、やれるっとちゃろ。他の人がやらんき、やっとっちゃろ。」
理由はこれで十分ですよね。結局それだけですよね。
その言葉に、お腹いっぱい、胸いっぱいです。
自分も「好きだからやる。他の人がやらないからやる。」という生き方をしていきたいと考えているので、思わず彼と握手をしたくなりました。
ただそれも照れくさいので、彼の空いたグラスにビールを注ぎました。
彼の言葉を、三十路の門出の言葉に頂いてしまおうとひそかに思っています。