日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

バリ島の棚田

週末、天気が良かったので、次の種まきに向けて、裏の畑の冬野菜の残骸(葉っぱが開ききった白菜など)や雑草を引っこ抜き、土を耕した。

大して広くもないのに、日頃の運動不足がたたってか、しんどかった。

耕しながら思いを馳せたのは、昨年11月に仕事で行ったバリ島の棚田。


(Jatiluwih,Bali,Indonesia)

あの時は、そのスケールの大きさに感動しきりだったが、あれだけのものを維持する苦労はいかほどだろうかと、今更ながらしみじみ思った。(たかが10坪くらいを耕しただけで想起されては、バリ島の棚田に失礼というものか・・・)

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バリ島の中でも、農村部では、ごくごく当たり前のように、牛で耕作して牛糞・人糞を肥料に使い、椰子の葉で家を建ててといったような循環型の生活が続けられているのに、都市部では、完全に大量消費大量廃棄型になっているのが、印象的だった。

日本もそうだが、どこでも、いとも簡単に「循環型社会」を手放してしまっている。一度失った「循環型社会」を取り戻すのは、(今日本が費やしているように)大きなコストがいるのに、と、もどかしい思いになった。

なお、私たちが視察したJatiluwih村の棚田は、文化的景観として、世界遺産の登録を目指しているとのこと。(その棚田も、実は、政府の援助でなんとか維持しているとのことだった。)

「景観」というのは、生産活動や消費活動、さらには物質循環が視覚的に表れたものなので、循環型社会のひとつの「指標」になるのでは、と個人的には期待しているが、実際には、「うわべ」(表層)だけを切り取られて利用される可能性も小さくないと思う。そのあたり、注目していきたい。