日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

花見潟墓地

花見潟墓地
この墓地は、東西約三四九米、南北約一九〜七九米、面積約二万平方米の広さで西日本の自然発生墓地では、最大級と言われ、とりわけ、海岸に面した墓地としてはきわめて稀である。発生起源は不明だが、石造物などから中世後半以降の成立と推定されており、二万余基の墓が建てられている。

(中略)
お盆には灯篭が灯された墓地に、帰省の人々と地元の人々が交わすなつかしい声があちこちで聞こえ、本町の一風物詩となっている。
琴浦町教育委員会
(墓地の立看板より転記)

このお盆に参った、先祖の墓がある墓地(鳥取県琴浦町赤碕)が、とても珍しいものであることを初めて知った。

花見潟墓地」という大そうな名前が付いており、「自然発生墓地」という形態のもので、西日本で「最大級」であり、「海岸に面した墓地としてはきわめて稀」であり、しかも「発生起源は不明」であるという・・・。

「自然発生墓地」なんて言葉、聞いたことすらなかった。しかし、「あ〜、確かに、そうなんだろうな」とすんなりと腑に落ちた。

前回、このお墓を参ったときの感覚は、正しかった。

広い海と広い空というナイスなロケーションを求めて、
墓石たちが寄り集まってきた。
まさにそんな感じ。
倶会一処 - 日本再発見ノート Rediscover Japan.

本当に、自然発生的に、墓石たちがこのナイスなロケーションに集まってきていたのだ!(正確には、お役所の指定や業者の霊園販売などとは無縁に、人々がここにお墓を作りはじめてしまったということ。)

古来この土地に暮らしてきた人々の、「死んだら、ここに埋葬して欲しい」「ここで海を眺めながら、成仏できたら本望だ」「極楽浄土は、きっとこんな感じだ」、そんな思いが、浄土信仰と郷土愛がないまぜになったような思いが、この海の際に、「二万余基の墓」を建てさせたのだろう。

そんなことを考えていたら、またもや、得も言わぬ幸せな気分になってしまった。

なんと、人間は、愛おしいのだろう。