久松山
もう一つ、鳥取関連。
鳥取市内どこからでも見える、角がまるまった台形のような形をしたお山、それが久松山(きゅうしょうざん、標高263m)。
鳥取に来て、この山が見えると、いつも思わずにんまりしてしまう。「よう、久しぶり」てな具合に。
ただ、しばらく滞在していると、気にもならなくなる。それくらい、ありとあらゆるところで視界に入ってくる。
交差点でも。
幹線道路沿いでも。
お寺の後ろにも。
家の庭の向こうにも・・・。
しかし、明治初期までは、この山の上に鳥取城の本丸が建っていたというのだから、びっくり(というか、ちょっと怖い)。
鳥取文庫旧蔵の絵図。「當国邑美郡鳥取久松山之図」と記されている。成立年代不詳だが、羽柴秀吉が鳥取城を包囲した様子を描いた図である。鳥取城方の諸将とともに、包囲軍に加わった武将の名前がその陣所付近に記されている。
鳥取県立図書館所蔵絵図
当時の市中の人々はどんな気分だったんだろう。いつも見られているようでビクビクしていたんだろうか。それとも、守られているという安心感を感じていたのだろうか。
当時の人々の心境は知る由もないが、少なくとも、現代の久松山は、その愛嬌のあるフォルムをもって、住民や来訪者に安心感を与えていることは間違いない。
次会える日が楽しみである。