信用のインフラ
先週末から昨日にかけて、間一日をあけて、長野県栄村、京都府日吉町と、山間部をはしごをしてきた。(ということもあり、ブログの更新が滞ってしまいました。)
行った先で森林組合の方と話す機会があり、「信用」について改めて考えさせられた。
会社は、お客様の信用の積み重ねがあってこそというのは、どんな業界、どんな会社でも共通だろう。
ここでいう「信用」が、誰からの信用かというのは、商圏の広さ、圏内の消費者数・属性などによって千差万別だし、流行や国際情勢、制度などによって、移り変わるのが一般的だろう。撤退、新規参入などによって商圏を変えることも珍しいことではない。
一方で、森林組合など、地域に張り付いた組織ではそうとも限らない。
(実際はそう認識していない組合も多いと聞くが)お客さんである森林所有者(その多くが地域住民)の数は基本的には減ることはあっても大きく増えることはない。景気が悪いからといって周辺地域にむやみに営業を掛けることもできない。
良くも悪くも運命付けられた商圏で、商いをしていかなければならない。
この場合、お客様一人ひとりの「信用」の重みは、地域に縛りがない事業体と比べ大きいと言えるだろう。
逃げも隠れもできない。そして、柔軟かつ厳しい関わり方が必要になる。
「地域の人と仲良く、うまくいなしながらやっていく。でも、ナアナアになったら絶対だめ。」
何気ない言葉の奥に、計り知れない覚悟を感じた。
一度信頼が築き上げられると、何事もスムーズに運ぶ。しかし、ちょっとしたミスが、培ってきた信頼を一瞬のうちに消し去ってしまうこともある。
優れた森林組合は、林道・作業道や機械といった目に見えるインフラだけでなく、「信用」という目に見えないインフラも積み重ねている。