日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

薪炭キャンペーン・メールマガジン(第4号)

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薪炭キャンペーン・メールマガジン(第4号 2007/11/08)
from 日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会
>>> http://www.sumimaki.org/
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□ 目次

[1.キャンペーン事務局からご挨拶]
●「火のある暮らし月間」がやってきた!(事務局長 嶋田俊平)

[2.キャンペーン事務局からのお知らせ]
●キャンペーンにご参加ください!
●「火のある暮らしのはじめ方」好評発売中!
●「火のある暮らし月間」イベントを募集中!

[3.今月のイベント情報]
●11/10(土) 「第5回森の文化祭『火の市』」(森の文化祭実行委員会)
●11/17(土) 「第5回森の文化祭『木のある暮らし』」(森の文化祭実行委員会)
●11/10(土) 「茅場の視察とカヤ刈り体験」(森林塾青水)

[4.キャンペーン賛同団体紹介]
●社団法人農山漁村文化協会(田中克樹さん)

[5.今月の薪炭クッキング]
●古典的秋刀魚の炭火焼(尚炭&真炭)

[6.コラム「炭わが人生」]
●怖ろしい「極楽」の夜(国際炭やき協力会 広若剛)

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[1.キャンペーン事務局からご挨拶]

◆「火のある暮らし月間」がやってきた!

こんにちは。事務局・嶋田です。
私の住む関東でも、ようやく朝のひんやりした空気を味わえるようになってきました。気持ちがいいものです。
秋冬は、気温が下がらないと「今日はぬるいな〜」と感じてしまい、いまいちテンションがあがりません。寒すぎると、逆に、テンションが下がってしまうのが、やっかいですが・・・
さて、11月に入って1週間が過ぎてしまいましたが、遅ればせながら、「火のある暮らし月間」開幕を宣言します!
「火のある暮らし月間」では、冬支度が本格化する11月〜12月の2ヶ月間を、「火のある暮らし月間」と(勝手に?)位置づけて、全国各地で行われる薪ストーブや七輪の展示会、炭火料理セミナー、バイオマスのシンポジウム、森林作業イベントなどなど、楽しい「火のある暮らし」関連の催しを大々的に紹介させていただきます。また、キャンペーン事務局としても、京都と東京でイベントを開催します。
以下のページで全国のイベントの情報を掲載していますので、是非足を運んでいただければと思います。http://www.sumimaki.org/hino/
また、この「火のある暮らし月間」ページで紹介させていただくイベントを募集しておりますので、ぜひぜひご応募ください。(詳細は、[2.キャンペーン事務局からのお知らせ]を参照ください。)
それでは、メルマガ第4号をお楽しみください。

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[2.キャンペーン事務局からのお知らせ]

◆キャンペーンにご参加ください!
2007年11月7日現在、キャンペーン賛同団体は40団体になりました!日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーンでは、参加者・参加団体を募集しています。http://www.sumimaki.org/01/san.htm

◆「火のある暮らしのはじめ方」好評発売中!
薪炭キャンペーンで製作に取り組んできた、 書籍『火のある暮らしのはじめ方』が出版されました。この本では、薪炭による「火のある暮らし」をさまざまな形で 実践されている方に、その魅力を語っていただきました。また、薪炭等のバイオマスに関する基礎知識、火の扱い方、火の持つ様々な効果や歴史など沢山のノウハウ・情報を紹介します。この本が、皆さんの「火のある暮らし」の第一歩となれば幸いです。
編集:日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会
発行:社団法人農山漁村文化協会
仕様:B5判、96頁(カラー64頁)
定価:1,500円(税込み)

◆「火のある暮らし月間」イベントを募集中!
 寒さが増し、冬支度が本格化する11月・12月を『火のある暮らし月間』と位置付け、その期間中に、全国の団体・個人の皆さまが実施される、「火のある暮らし」に関連するイベント・催し・活動(以下、イベント)を、集中的かつ一体的にPRし、これまで薪炭等にあまり接点を持っていなかった市民層に関心を持ってもらうことを目指します。
▽ 参加のメリット
(1) ウェブサイトを通した広報⇒薪炭キャンペーンのウェブサイト内に、『月間』の特設ページを開設し、イベント等の情報を掲載します。 参照:http://www.sumimaki.org/hino/
(2)「エコプロダクツ2007」での広報⇒国内最大規模の環境系展示会「エコプロダクツ2007」に、 薪炭キャンペーンのブースを出展します。このブースに、参加団体の活動を紹介するパネルを掲示します。
(3)キャンペーン・グッズの提供⇒薪炭キャンペーンのロゴやURLを印刷したマッチを提供します。
▽ 参加費用 基本的には無料(タダ)です。
▽ 応募方法は? 下記応募先まで、メールまたはFAXで以下の事項をお送りください。
○イベント名 ○開催時期 ○開催場所 ○イベント等の概要 ○お問い合わせ先
▽ 応募・問い合わせ先
〒198-0036東京都青梅市河辺町5-10-1セントラルビル2F
森のエネルギー研究所内 薪炭キャンペーン
 e-mail:info@sumimaki.org fax: 0428-28-0037

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[3.今月のイベント情報]
 ※http://www.sumimaki.org/hino/ にもイベント情報が盛りだくさん!

◆「第5回森の文化祭」(森の文化祭実行委員会)
森の文化祭とは、薪や炭を使ったおいしい料理を食べたり、薪割り体験などを通じて、楽しみながら森林と山村の文化に触れることができる場を作ることを目的として毎年行われているイベントで、今年で5回目を迎えます。第4回まで、京都市北区雲ヶ畑地区という林業のさかんな地域でお祭りをひらいて参りましたが、本年度は、それに加え、京都市左京区の知恩寺にて、森の文化祭「火の市」を開くことに致しました!両日ともご来場お待ちしております!

○火の市〜火のある暮らし〜
日時:11月10日(土)10:00〜16:00
会場:京都市左京区百万遍知恩寺
○木のある暮らし〜山でほっこり〜
日時:11月17日(土)10:00〜16:00
会場:京都市北区雲ヶ畑林業総合センター
問い合わせ:雲ヶ畑森の文化祭実行委員会まで
      tel:090-1830-8908(渉外・水谷)mail:moribun06@gmail.com http://www.geocities.jp/moribun07/

◆「茅場の視察とカヤ刈り体験」(森林塾青水)
日本の伝統建築物「茅葺き屋根」を復元させ、未来に残すために茅場の保全活動 にご協力願います。「茅葺き屋根」を葺き替えるには、多くの茅(ススキ)が必要です。ところが茅場と刈り手が減少し、茅が不足しています。群馬県みなかみ町藤原地区には、その貴重な茅場が保全されており、早春には「野焼き」を再現しております。原料 の茅刈りに是非ご参加ください。詳しくは、以下をご覧ください。
http://commonf.net/images/kayakari20071110.pdf
日時:2007年11月10日(土)
集合:みなかみ町藤原上ノ原「入会の森」 (宝台樹スキー場の300M先)
※詳しくはお問い合わせください。
問い合わせ:森林塾青水 事務局・コミュニティデザイン(浅川潔)
      fax:03-5474-0847 mai:asakawa@commonf.net http://commonf.net

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[4.キャンペーン賛同団体紹介]

◆社団法人 農山漁村文化協会(田中克樹さん)

農文協は、昭和15年創立の古〜い社団法人です。国策に協力してしまった戦中の歴史を反省し、戦後以降は、土地に根ざして生きる農民に学び、その知恵や技、またその背後にある「農」の思想を体系化し、形象化する作業を、出版という形で行ってきました。その代表的な出版物は、発行20万部を誇る『月刊 現代農業』。今や有機農業花盛りの時勢となりましたが、この雑誌は60年代以降の農業近代化の時代においても、一貫して土地に根ざした農民の地道な実践に目を向け、地域の自然を活かした各地の農法や資材などを取り上げてきました。たとえば、農業への炭や木酢液の活用を取り上げたのも、裏山や竹林に繁殖する「土着菌」に注目し、堆肥づくりや食品加工活用することをアピールしたのも、この雑誌が最初でした。また、暮らしの分野ではドブロクづくりを農民の大切な文化として取り上げてきましたが、今やドブロク特区なるものも出来て、千客万来の地域づくりの技として見直されるようになってきました。地域の自然を丹念に手入れし、その資源を使いながら豊かに守り育てて行く、循環的な「農」の思想と技が農村には今でも残っています。火のある暮らしの技もその一つかと思います。この良き文化を出版物という形にして伝え、地域に自給的な循環型の暮らしと社会を築いていくこと。そのことが農文協の第一の使命と考え、180余名の職員が今日も全国を飛び回っています。

▽ お問い合わせ
〒107-8668 東京都港区赤坂7-6-1
Tel.03-3585-1141 Fax.03-3589-1387 E-mail: rural@mail.ruralnet.or.jp http://www.ruralnet.or.jp/

このコーナーでは、キャンペーンの賛同団体を順番に紹介していきます。お楽しみに!

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[5.今月の薪炭クッキング]

 謎のクレイジー尚炭(なおずみ)先生に教わった、美味しさと驚きに満ちた薪炭料理のとりことなったOLの真炭(ますみ)さんは、最近なんだか悩んでいるよう。今日はなんだか足取りも重く、薪炭クッキング教室の扉を開けるのであった。(このコーナーは、真炭さんと尚炭先生の会話形式でお送りします)

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(尚)秋じゃ!秋じゃ!秋刀魚じゃ!
(真)…。
(尚)…おや、なんだかいつもの元気が無いのう。どうした。食欲の秋じゃぞ。
(真)実は最近恋人の転勤がきまって、来月から離れ離れになるんです。
(尚)なに!まさかそんな乙女心を抱いていたとはのう。ふむ。今日のメニューは、秋の炭火焼の王様、秋刀魚じゃ。いいから焼き方をよく見てみなさい。
(真)ふーん。随分火から遠ざけて焼くんですね。これで熱が伝わるのかな。
(尚)魚を焼くときは、「強火の遠火」と昔から決まっておる。炭火は、遠赤外線と近赤外線の輻射熱がウリなのじゃぞ。素材を火の側で焼くと、表面が焦げて、中が生焼けじゃ。火から遠ざけて焼くことで、赤外線が素材の中に熱を伝え、かつ表面を素早く焼き上げ、旨みをとじこめるのじゃ。
(真)はあ…。
(尚)そこで、じゃ。遠距離恋愛とかけて、秋の秋刀魚ととこう。
(真)…?その心は?
(尚)離れていても、じっと待つ、じゃ。

★今月の薪炭クッキングレシピ★
## 古典的秋刀魚の炭火焼 ##

■材料:
秋刀魚、塩(焼く前に少し多めにふって、5分ほどおくことで身を締め味を深める。多すぎると感じるならキッチンペーパーで拭き取ること)

■作り方:
▽ 十分に熱した網に秋刀魚を乗せる。「強火の遠火」の流儀で炭火と網とのほどよい関係を保つ。
▽ ほとばしるサンマの油と煙にたじろかずに、ほどよく焼ける(6割程度)まで秋刀魚をいじらずにじっと待ち、ひっくり返す。
▽ ひっくり返した片面を焼き、じゅわっと香ばしくなったら出来上がり。
▽ 大根おろし、かぼす、醤油などを好みで添える。

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[6.コラム「炭わが人生」]

怖ろしい「極楽」の夜

 私は大学時代に炭の鬼・杉浦銀治師匠、通称「炭やき銀爺」に導かれて炭の世界に入った。銀爺先生は炭の研究一筋50年というだけあって、とにかく何の話を持ちかけても全部炭の話につながっていくので、初対面の人は最初こそあきれた顔をするものの、次第に銀爺の情熱にほだされて、気がついたらすっかり炭のとりこになってしまう。話す相手も選ばない。お年寄りから幼児にいたるまで炭の魅力についてこんこんと説くのである。その洗礼を受けたばかりの20代の頃の私は「何が何でも炭!」を信条として日々を過ごしていた。
 だから当然冬の暖房は炭だけ!電気やガスなどに頼っていては炭党の名がすたる!というわけで小さい火鉢を抱え込んで震えながらも孤高の愛炭党員を気取っていた。その頃住んでいたのは農家が自分で建てた倉庫の二階で鉄筋コンクリート作り、断熱材なし、隙間風もどんどん入ってくる離れの部屋。夏は涼しいが冬になると部屋の中でも息が白く、朝起きると顔の表面がバリバリ凍っているような感じだった。その部屋を小さい火鉢の中の3個の炭だけでしのごうというのだから今考えただけで寒気がしてくる。だが、毎年11月20日過ぎにそれまでの寒さを超える寒い日がやってきて、辛抱できずにこたつを出し、敗北感を味わうのが常だった。
 だが、こたつを出しても背中は寒い。炭を焚いているので窓を小さく開けて換気しているからなおさらである。そんなある日、後輩がやってきて部屋で一杯やることになった。その後輩は特に炭党というわけではないのでコタツを出していても文句を言うわけではない。(もっともコタツを出していることを責め立てる炭党の知り合いもいなかったけど)部屋の中の火鉢に黒ぢょか(鹿児島の素焼きの酒器。平べったい急須のようなもので中に焼酎と水を入れて炭火にかけて焼酎のお燗をするのに使う)をかけ、差しつ差されつで銀爺のくれた球磨焼酎「極楽」を飲んでいた。泡盛のような芳香を漂わせる米焼酎で、これを黒ぢょかで飲るとまさに極楽気分である。
 しかし今夜は随分冷えるなぁとカーテンの隙間から外を眺めるといつの間にか雪が降っていた。あまりきれいなのでカーテンを全開し、電気も消して雪を見ながらしばらく二人で飲んでいると酒に強いはずの後輩が突然倒れこみ、震え始めた。
 「どうしたんだ!」とゆすると「寒い、布団を」と震える声で頼んでくる。よく分からないが布団を取ろうと立ち上がろうとしたら私も突然体が動かなくなってしまった。頭もズキズキ痛む。この痛みでピンと来た。「これは一酸化炭素中毒だ!」前にやはり私の家に泊まった男が翌朝「頭が痛い」と呻いていたことがあり、銀爺が「それは一酸化炭素中毒だよ」と教えてくれたことがあったのである。
 とすればとにかく新鮮な空気だ。激しい悪寒の上に自分のものでないような体を蓑虫のように這わせて何とか窓のそばまで行き、やっとの思いで開け、冷たい空気を吸い込むと少しして体が動くようになった。後輩はそのまま気を失うようにして寝込んでいる。もう少しで二人とも死ぬところだった。
 後でその後輩に聞いたところ、あんまり寒いので私がトイレに行っている間に窓を全部閉め切ってしまい、そのまま忘れていたとのこと。このことがあってから少しでも頭が痛い感じがするとすぐに炭のそばを離れ、窓を開ける私である。みなさんも炭を焚く時は換気に注意して下さいね。

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*編集後記*
今月の広若さんのコラムは怖かったですねぇ。最近の家は気密性がなお高いですので、十分注意して下さいね。ところで、10月にフィンランドに行ってきました。ヨーロッパの炭焼きやタール採取の方法は、枝葉をかぶせてお椀型の伏せ焼きです。北欧は今でこそ豊かな国ですが、昔は本当に貧しかったようです。それがあれだけの林業・林産業を発展させてきたのは、本当に頭が下がります。