日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

薪炭キャンペーン・メールマガジン(第9号)

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薪炭キャンペーン・メールマガジン(第9号 2008/05/15)

from 日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会

>>> http://www.sumimaki.org/

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□ 目次

[1.キャンペーン事務局からご挨拶]
薪炭グルメ店、続々オープン?(事務局長 嶋田俊平)

[2.今月のヘッドライン]
● ドイツで木質バイオマスが見直される理由 /など

[3.キャンペーン事務局からのお知らせ]
●キャンペーンにご参加ください!
●「火のある暮らしのはじめ方」好評発売中(3刷)!!
●森林文化協会の本「森林環境2008」で紹介!
●「京都流議定書 Do you Kyoto? Do you Kyotostyle?」に出展。
●メールマガジンのバックナンバーをアップしました。

[4.今月のイベント情報]
●「蓄熱型薪ストーブ青空学校 薪割り★火おこし★焚き火教室」(5/31、京都府京都市)
●岩瀬薪割りクラブin響きの森「木出し&薪割り」(6/1、福島県須賀川市

[5.キャンペーン賛同団体紹介]
●ファイヤーサイド株式会社

[6.薪炭クッキング]
● 採れたてタケノコの丸焼き (尚炭&真炭)

[7.コラム「炭わが人生」]
●燃える匂い(国際炭やき協力会 広若剛)

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[1.キャンペーン事務局からご挨拶]

薪炭グルメ店、続々オープン?

こんにちは。事務局・嶋田です。

前号から間があいてしまいましたが、第9号をお届けします。

さて、昨年の冬は、原油高騰などで薪ストーブが人気を集めているといったニュースが多くみられましたが、ここ最近は、薪炭を使う飲食店の開店や開店準備のニュースを、頻繁に目にするような気がします。(意識しているから、そういったニュースが目に入るだけかも?)

「ヘッドライン」には、「麺処田んなか」さんから「薪釜で麺を茹でる麺処を開店準備中」という投稿を頂きました。
 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?333

また、東京界隈では、オーガニック本格イタリア料理レストラン「ダ・オルト」さん http://www.food-stadium.com/headline/795/index.html
パン工房「木の葉」さん http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20080427ddlk13040123000c.html が開店したというニュースもありました。

こうしたお店では、なかなか家にペレットストーブや薪ストーブ、七輪などを入れることができない都市住民でも、気軽に炭や薪の火を“味わう”ことができるので、どんどん増えて欲しいなあと、思っています。

そして、薪炭キャンペーンとしては、そうしたお店を紹介する、薪炭マップを各地で作り、応援していきたいと思っています。

(ちなみに、今、京都府版、愛知県豊田市版、神奈川県版が出来ています。参照:京都府版 http://www.sumimaki.org/04/kyoto/index.htm    )

それでは、メルマガ第9号をお楽しみください。

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[2.今月のヘッドライン]

2008-5-14: 第21回古代発火法検定 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?346
2008-5-11: 古墳時代初頭の手あぶり形土器出土 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?344
2008-5-1: 北京ダックにも「電子オーブン」の波 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?343
2008-4-28: 青梅市に間伐材で焼くパン屋オープン http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?342
2008-4-27: パン焼き窯@モロッコ http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?341
2008-4-18: リンゴ木炭商品化@青森 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?340
2008-4-13: 炭焼き用石窯復活で集落再生へ@大分県九重町 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?338
2008-4-13: 薪窯焼きピザ専門店@岐阜市 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?336
2008-4-10: ロシアで移動式薪サウナ開発 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?335
2008-4-3: ドイツで木質バイオマスが見直される理由 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?334

キャンペーンHPのトップに『バイオマス情報ヘッドライン』を設置しました。 
http://www.sumimaki.org/top.shtm
 このシステムは、全国各地(海外も含め)の、薪炭等のバイオマスに関連する旬のニュース、面白いニュース、豆知識などを、自由に投稿してもらい、紹介しあうものです。どなたでも自由に投稿して頂けますので、奮って投稿ください。
投稿は右のページから!  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi

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[3.キャンペーン事務局からのお知らせ]

◆キャンペーンにご参加ください!
2008年5月現在、キャンペーン賛同団体は54団体になりました!

日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーンでは、参加者・参加団体を募集しています。http://www.sumimaki.org/01/san.htm
火のある暮らしネットワークの個人編の申し込みフォーム、検索画面が完成いたしました。どうぞ、こちらもご覧下さい。http://www.sumimaki.org/formmail/form.cgi?ctl=personal_select


◆「火のある暮らしのはじめ方」好評発売中!!
 (なんと3刷目に入りました!感謝。)
薪炭キャンペーンで製作に取り組んできた、 書籍『火のある暮らしのはじめ方』が出版されました。この本では、薪炭による「火のある暮らし」をさまざまな形で 実践されている方に、その魅力を語っていただきました。
また、薪炭等のバイオマスに関する基礎知識、火の扱い方、火の持つ様々な効果や歴史など沢山のノウハウ・情報を紹介します。この本が、皆さんの「火のある暮らし」の第一歩となれば幸いです。

編集:日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会
発行:社団法人農山漁村文化協会
仕様:B5判、96頁(カラー64頁)
定価:1,500円(税込み)

◆森林文化協会の本「森林環境2008」で紹介!
(財)森林文化協会が毎年慣行している年報「森林環境」シリーズの最新号は、「草と木のバイオマス」がテーマです。
 キャンペーン事務局団体である、NPO法バイオマス産業社会ネットワークの泊みゆきさんが「持続可能な日本社会とバイオマス政策」といタイトルで政策のレビューを、本メルマガの編集員である相川が「炎の文化再生−21世紀の火のある暮らしへ」というタイトルでキャンペーンの紹介をしています。ご関心のある方はぜひご覧下さい。

編集=森林環境研究会
責任編集者=有馬孝礼+辻陽
発行=(財)森林文化協会
発売=朝日新聞社
定価=2,100円(税込み)、協会会員は1,950円(送料込み)
http://www.shinrinbunka.com/

◆「京都流議定書 Do you Kyoto? Do you Kyotostyle?」に出展。
5月1日〜3日まで京都で開催されたイベント 「京都流議定書 Do you Kyoto?Do you Kyotostyle?」に、株式会社Hibana、薪く炭くKYOTOと共同でブースを出展し、キャンペーンの紹介をしました。

◆メールマガジンのバックナンバーをアップしました。
薪炭キャンペーン・メールマガジンのバックナンバーを、ウェブにアップしました。最近、読者登録された方は、是非ご覧下さい。http://www.sumimaki.org/02/mailpast.htm

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[4.今月のイベント情報]

●「蓄熱型薪ストーブ青空学校 薪割り★火おこし★焚き火教室」(5/31、京都府京都市)
火を見つめていると、なぜかワクワクします。薪でつくるご飯は格別です。私たちは、薪を使うことで森をゲンキにしたいと考えています。今回は、薪割り、火おこし、焚き火料理のきほんをレクチャーし、日本ではあまり知られていない省エネ性能の高い「蓄熱型薪ストーブ」をご紹介します。

森の中の小川が流れる会場で体を動かし、火を囲み、火の楽しさを味わいませんか?みなさまお誘いあわせの上、ぜひお越しください。

なお、ホームページ上でも案内を掲載しております↓http://www.hibana.co.jp/hibana/data/ivent080531.pdf

日時:5月31日(土)11:00〜15:00  *雨天決行
内容:
 ★ステップ1〜薪割り〜
  ・ヨキと薪割機での薪割り体験  
  ・薪の種類・保管方法の説明
 ★ステップ2〜火おこし〜
  ・いろいろな焚きつけ、発火方法体験
  ・蓄熱型薪ストーブの説明
 ★ステップ3〜焚き火料理〜
  ・鹿肉バーベキュー ベリーソース添え
・ねじ巻きパン ほか
参加費:大人:2,000円+ドリンク代 小学生以下:無料
    食事代、薪づくりテキストブック代込み
会場:GAEA(ガイア) 京都市左京区北白川琵琶町12
   TEL 075-723-4194
申込・問合せ:Hibana(ヒバナ)担当:成田
  〒602-8104  京都市上京区下立売通大宮西入浮田町600 
  tel:075-803-6277 fax:075-803-6299
  mail:info@hibana.co.jp HP:http://www.hibana.co.jp

●岩瀬薪割りクラブin響きの森「木出し&薪割り」(6/1、福島県須賀川市

岩瀬薪割りクラブが開催されます。森林で汗を流したい方、薪の欲しい方、どうぞ参加ください。

日時:6月1日(日)9:00〜15:00
場所:響きの森(須賀川市梅田字牛池地内)
申込・問合せ:岩瀬薪割りクラブ(事務局 北川)
FAX:0248−25−1595 http://fukushimamakinet.hp.infoseek.co.jp/

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[5.キャンペーン賛同団体紹介]

File9. ファイヤーサイド株式会社〜薪ストーブの料理の時に炭を使うよ〜

薪ストーブで料理をよくします。ストーブトップでは当然、煮物、シチュー、カレー、スープ等作りますが、お餅やトーストもよく作ります。そのほかによく作るのはフルーツジャム。ホットケーキやチャパティーパンも最高に美味しくできます。

ストーブトップ料理は普通ですが、実は炉内で料理することも多く、ピザ、グラタン、グリル、スモークなどにも適しています。パンもケーキも作れますが、火の管理や火の加減は難しくてどうしたら良いのかよく聞かれます。
薪ストーブの炉内で料理をする時は薪が熾き火になって炎のないの状態で行いますが、熾き火は長く温度がもたないので温度が落ちやすくなります。なので私は、炉内料理をする時に炭も使います。火持ちがよくて安定した温度が保て、ほとんど失敗はありません。もちろん暖を取るには炭ではだめで
すが、炉内料理をするには必需ですね。

ポールキャスナー著

ポールキャスナー
ファイヤーサイド株式会社
399-4117
長野県駒ケ根市赤穂497-871
Tel. 0265 82 4676 Fax,0265 82 4683
http://www.firesidestove.com
paul@firesidestove.com

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[6.薪炭クッキング]

File9. 採れたてタケノコの丸焼き

 謎のクレイジー尚炭(なおずみ)先生に教わった、美味しさと驚きに満ちた薪炭料理のとりことなったOLの真炭(ますみ)さんは、新しい部署に移動して5月病な今日この頃。今日もぼんやりと、薪炭クッキング教室の扉を開けるのであった。
(このコーナーは、真炭さんと尚炭先生の会話形式でお送りします)

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(真)こんにちは…。
(尚)おや、なんだかいつもの覇気がないぞ。さては5月病かな?
(真)新しい部署に移って、かわいい新人をせいいっぱい演じていたら、ちょっぴり疲れてしまいました。
(尚)ふーむ。では今日は気分も新たに、生まれたて、採れたてのタケノコ料理を教えよう。
(真)タケノコですか。煮物とか苦手なんですよね…。
(尚)かー!そんなずぼらな奴のために、今日は焼くだけのタケノコじゃ!新鮮でないとできないぞ。
(真)え、アク抜きしなくていいんですか?
(尚)採れたてのタケノコならアクがないから、皮のまま焼くだけでほっくりじゃ。
(真)うわ!ほんわかいい匂いがしてきました!
(尚)うむ、焼きタケノコには日本酒がぴったしじゃ。今日は竹づくしで、青竹で燗をしてみようかのう。どれ、裏の竹林で青竹を切ってこよう。真炭くん、焦げ目がつくまで見ておくのじゃよ。
(真)はーい。(今の私はアクだらけだったな。これからは自分をつくるのは止めて、このタケノコのようにピュアな自然体でいこう…)
(尚)ぶほ!すごい煙じゃ!真炭くん!
(真)え、焦げ目がつきすぎちゃいましたか?
(尚)うぅ、中までまっ黒、これじゃ焼きタケノコを通りこして竹炭じゃ。。。

★今月の薪炭クッキングレシピ★
## 採れたてタケノコの丸焼き ##

■材料:
 採れたてのタケノコ

■作り方:
▽ 皮付きのままタケノコを網に乗せ、炭火でゆっくり焼く。
▽ 採れたてのタケノコは水分が多く、皮が焦げても中まで焦げないので、安心してしっかり全体が真っ黒になるまで焼くこと。 (真&尚の会話と違って少々では炭にはなりません)
▽ 内部から湯気とともに甘い香りが立ってきたら、出来上がりのサイン。大きさによって所要時間が異なるので、加減を確かめながら焼くこと。
▽ 焦げた皮を剥いて大振りに切り食らいつく。好みで醤油をたらしてもOK。

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[7.コラム「炭わが人生」]

File9.燃える匂い

 先日エジプト・アスワン市で炭やきをした。現地の植林に使う土壌改良用の炭を作るのが目的だったのだが、適当な炭材がないということでさとうきびの搾りカスを用意しておいてもらい、他に現場にあった椰子の葉っぱなどを使って炭をやいた。
 この搾りカスはかなりの量を準備してもらっていたので窯口で焚く燃料としても使った。これは炭にするには最適とはいえなかったがよく燃えてくれた。もっともあの炎天下で何日も乾燥すれば何だって燃えるようになるのかもしれないけど。
 事前にお願いしておいたドラム缶窯の煙突が現場に行ってみるとだいぶ小さめだったため、照るつける太陽の下、5,6時間も窯口で焚き続けることになり、結構きつかったが(初めて一日6本もミネラルウォーターを飲んだ)エジプト人スタッフが代わる代わる応援に駆けつけてくれ、楽しい時間を過ごせた。

 この搾りカスはカスというだけあってさすがにすぐに燃え尽きてしまい、燃え残りも多い。だからしょっちゅう窯口から熾きを掻き出し、新しいカスをまたくべなければならないので、私としてはもう少しましな木の枝みたいなものをくべて楽をしたくなる。
 ちょうどごみの中から見つけた木の枝を窯口にくべてやれやれと思っていると、エジプト人のワーカーが「これはよく燃えないからやめた方がいい」とアドバイスしてくれる。
 確かに一気にわっと炎が上がる搾りカスに比べると燃え方がちまちましていて頼りない感じだ。だが、ドラム缶で炭をやくにはそれくらいの燃え方でも十分なのだが「燃やすってのはこうやるんだ」とばかりに人の良さそうな初老のワーカーが私のくべた枝を抜いてカスをまたどさっとくべてくれるので、枝をくべて楽をすることはできなかった。
 考えてみるとアスワンの一帯はダムのまわりを除いて特に緑が少ない。だから木の枝などのバイオマス系の燃料がいつも手に入るわけではない。しかし、サトウキビは近くで栽培しているのでその搾りカスはサトウキビのジュース店などに行けば手に入る。だから彼らにとってこちらの方が勝手知ったる身近な燃料なのである。

 スタッフの一人、モリス氏はこのカスをくべながら「俺が小さい頃はいつもおばあさんが庭でこれを燃やしてパンを焼いてくれたもんだ。エジプトの女性は働き者で朝早くから起きてせっせとこうやってカスを燃やしてパンを焼くんだ。だからこれを燃やすとおばあさんのことを思い出すよ」と語っていた。彼にとってはこの搾りカスの燃える匂いが郷愁をそそるものなのだった。
 日本人の私たちが薪を燃やした時の匂いに郷愁をそそられると同じく、彼にとってはそれがさとうきびの搾りカスなのである。前回紹介したインドのサトウキビブリケット開発者のカルベ博士はそれが犬の糞に似ているため「我々インド人はずっと牛の糞を燃料にしてきたが、今やとうとう犬の糞を燃料とするに至った」と冗談を言っていたが、ひょっとしたらインド人は牛の糞が燃える匂いに郷愁を感じたり
するのかもしれない。
 しかし、石油ストーブで育った私は灯油が燃える匂いが漂ってくると「あぁまた冬が来たなぁ」なんてせつなく感じたりする。「池田炭祇園の宵を匂いけり」などと詠った風雅な時代との落差たるや何たることだろう。
 やっぱり薪とか炭の燃える匂いをもっと漂わせて皆さんの体に叩き込まなきゃいかんと改めて思った次第です。

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*編集後記*
 4月はメルマガを発行することができませんでした。全て編集の怠惰のせいです。ここに皆様にお詫びいたします。ごめんなさい。
 4月に入り、岩手の方とメールのやり取りをする機会がありました。聞けば、岩手では原油高から、薪の利用が爆発的に復活しているとのこと。多少の混乱はあるようですが、私はしごくまっとうな反応だと思います。原油やガソリンの価格が上がったけれど、何もできない東京人の方が、ちょと異常だし、翼をもがれて不自由である気がします。
 今日もガソリン価格が上がったというニュースが流れていました。ガソリンの排気ガスの匂いが懐かしくなる日も近い??

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