日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

対馬で、2回目の物語マーケティングWS。今回は塩見直紀さんと一緒に。

対馬に23日~24日まで、対馬に行ってきました。6月末から始まっている、計4回の物語マーケティングワークショップの第2回です。

今回の旅は、半農半X研究所、里山ねっと・あやべの塩見直紀さんにご同行頂きました。塩見さんとは、4年前くらいに、山村再生関係のテキスト作成のお仕事の関係でインタビューさせて頂いてからのお付き合いです。

ちなみに、そのインタビューの記事がこちら。
山村再生 魅力ある山村づくり
塩見さんのインタビューの箇所

今読み返しても、はっとさせられる、とても大切なことを沢山お聞きしました。例えば、以下のようなことをお聞きしました。

『良い人』と『良いメッセージ』
 塩見氏は、交流事業のコーディネーターとして沢山の事業を企画・運営してこられた経験を踏まえて、「どれだけの交流を生み出せるかは、いかに『良い人』を呼んでくるかにかかっていると思う。『良いメッセージ』を送れば、『良い人』が集まってくる。良いメッセージというのは、自分たちの活動のコンセプトや目標像。良い人とは、それを理解してくれる先達やリーダー、仲間である。」と語る。

スタッフや地域住民の「X(エックス)」を見つけ、活かす。
 「何かを寝食を忘れてやれる人が中心にいることが重要だろう。例えば、パンづくりのイベントなら、寝食を忘れてパンづくりにのめりこめる人がいること。また、イベントのテーマについて、都会から来る人に負けないだけの知識や技術を持っている必要があるが、寝食を忘れてできる人ならそれだけのものを持っているだろう」とのこと。まさに、スタッフや地域住民の天与の才「X(エックス)」を見つけ、活かすことが重要なのだと。

地域の「X(エックス)」を見つけ、活かす。
塩見氏はこう語る、「上勝町に売り上げでは勝てない。美山町に交流人口では勝てない。綾部は、綾部で生まれる『物語数』で勝負したいと思っている。一万の物語を生み出したいと思っている。交流の中から生まれる物語を。
 地域の「X(エックス)」を見つけ、さらにその「X」を正しく評価するための指標を設定する。そうするとその地域はどんどんと輝いていくのだろう。

などなど。

特に、この中の「綾部は、綾部で生まれる『物語数』で勝負したいと思っている。」というフレーズは、僕にとって衝撃でした。

それから、農山村の振興ビジョンづくりや事業計画づくりに携わるときに、「計画をつくる」ではなく、「物語を紡ぐ」と考えながら、地域住民の方と取り組むようになりました。マーケティングをするときも、「売上」や「交流人口」を目標とするのではなく、「どうやったら、都市住民と地域住民の物語を育めるだろうか」「どうやったら物語数を増やせるか」を考えるようになりました。

そういった試行錯誤の中で、「物語マーケティング」のワークショップ手法が生まれました。

今では、この「物語マーケティング」は僕にとって、大切な武器、コアコンピタンスになっていますので、塩見さんは僕にとって恩人とも言えるでしょう。感謝。

ちなみに、こちらが、塩見さんからもらった今年度版のお名刺。

我々は何をこの世に遺して逝こうか。
金か、事業か、思想か。

(明治27年 内村鑑三33歳のときのことば)

この言葉は、塩見さんが大阪でのサラリーマン生活に見切りをつけて、綾部で「半農半X研究所」を立ち上げるきっかけになった言葉とのことですが、そういった言葉を今も大切にされているのは素晴らしいことだと思いました。

あ、そう言えば、僕も33歳に、今回の起業に結びつく重要な出来事(日本百貨店との出会い、さとゆめの誕生等)が沢山ありました。内村鑑三とは比較にもなりませんが、自分として、次の世代に残せるような事業や思想をつくっていきたいと思います。(お金は残せそうにないので・・・)

以下、いくつか写真を紹介。

ワークショップをした対馬北部の志多留集落。稲作が日本に伝来して最初に耕作されたと言われている土地。耕作放棄地が激増しているなかで、2000年以上も稲作が続いてきた田んぼを失うのはしのびないと頑張っている同年代の若者たちがいる。いつも刺激をうけるところです。
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物語マーケティングのワークショップ、第二回。今回も大盛り上がりでした。地図に落とし込んで、ふわふわした物語が一気にリアリティを持ってきました。
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日本在来馬の一種、対州馬。よく働きそうな体つきしておられます。昔は野良仕事や山仕事に大活躍していたみたいですが、機械に取って代わられ今は30頭くらいしか残ってないとか。ツシマヤマネコ以上の絶滅危惧種です。しっかり守っていかないといけないですね。いつかまたお世話になる時代が来るかもしれないですし。
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次の対馬行きは、8月下旬。今から楽しみです。