日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

大鹿村騒動記

先週末、「大鹿村騒動記」を観てきた。

映画 『大鹿村騒動記』 公式サイト

いや〜、面白かった。エンドロールで、主題歌の忌野清志郎の歌う「太陽の当たる場所」が流れ終わった後も、しばらく余韻に浸ってしまった。

長野県下伊那郡に実在する村、大鹿村を舞台に、300年以上続く大鹿歌舞伎を軸に繰り広げられる、てんやわんやの騒動劇。

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大鹿歌舞伎(おおしかかぶき)は、長野県下伊那郡大鹿村に伝承されている地芝居。文書上の記録として初めて登場するのは、明和4年(1767年)に鹿塩村で上演された狂言とされている(前島家文書)。幕府や政府の禁止にもかかわらず、庶民の娯楽として300年にわたり上演されてきた。
大鹿歌舞伎 - Wikipedia

6年くらい前から長野県で仕事をする機会が多くて、県内10以上の市町村は行っていると思うが、大鹿村はまだ行ったことがない。でも、映画の中の景色は、昨年調査で訪れた根羽村とよく似た感じがした。同じ下伊那郡なので、当たり前か。

「親が植え、子が育て、孫が伐る」 - 日本再発見ノート Rediscover Japan.

それにしても、主演の原田芳雄が、この映画が公開された3日後に肺炎で亡くなったというのが、どうしても信じられない。映画のなかの彼の力強さ、生命力は観る者を圧倒するほどのものだったから。

その一方で、原田芳雄としてはこれが最後の作品になると覚悟していたのではないか、というのもなんとなく感じるところだ。そんな凄みがあった。

「仇も恨みも、是まで、是まで」

原田芳雄演じる村歌舞伎「六千両後日文章 重忠館の段」のヒーロー悪七兵衛景清の台詞だけど、原田自身がこの映画で表現したかったこともこれに尽きるのではないかと思う。

人生、幕が開いたら、仇を受けるときもあれば、恨みを買うときもあるよ。でも、幕が下りるまでには、そんなものチャラにして、最後にはみんなで笑えるように楽しく生きようよ、と。

この大鹿歌舞伎は村人達の努力で300年続いてきたというけど、この歌舞伎があったからこそ村が続いてきたということも言えるのではないか。

村の日常の中の色んなゴタゴタも、夜な夜な遅くまで一緒に芝居の稽古をし、晴れの舞台でそれぞれ役になりきって演じることで、「仇も恨みも、是まで、是まで〜」的なノリでチャラにしながら、この村は、時代の荒波の中を村人達が力を合わせて乗り越えてきたんじゃなかろうかと。

実際に、この大鹿村平成の大合併に巻き込まれていないどころか、明治からずっと合併を経験せずに村政を続けてきたことからも、地域の強さ(つよさ)と強かさ(したたかさ)が察せられる。

まあそんな小難しいことは置いておいて、観終わって元気が湧いてくるような映画です! オススメです!!

↓予告編。

忌野清志郎の歌う主題歌「太陽の当たる場所」も良かったです。