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日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

坂の上の雲

読書

司馬遼太郎の代表作「坂の上の雲」を読み進めている。

伊予松山出身の3人の若者(秋山好古秋山真之正岡子規)を主人公に、幕末から日露戦争までの日本を描いたものである。

会社の先輩に薦められて何の気なしに読みはじめたのだが、あまりの現代社会とのシンクロぶりにげんなりしてしまった。世の中というものは進歩がないなあ、と。

今、全八巻中の二巻を読んでいるところであるが、時代背景は1890年代(明治20年代)、日露戦争前夜。ユーラシア大陸の極東で、日本とロシアが、清と朝鮮半島の覇権を争っているところである。
以下、一部抜粋。

日本は、日清戦争の結果、二億両の賠償金と、領土を得た。領土は、台湾及び澎湖島、および遼東半島である。
講和条約の調印は、明治二十八年四月十七日におこなわれたが、そののち一週間もたたぬまに、ロシアが、「遼東半島をシナにかえしてやれ」という横やりを日本に入れてきた。
むろんロシア自身が考えて発案したものだが、ロシアはこの要求を世界の公論というかたちにして正当の擬態をとるため、フランスとドイツを語らって要求してきた。表むきの理由は、「遼東半島をうばうことは東洋の平和に障害がある」というもので、むろん口実にすぎない。なぜならば、その後わずか二年のちにロシアはみずから遼東半島に軍隊を入れてうばってしまったのみならず、満州まで占領してしまったのである。
日本は戦慄した。
坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)

さて、似たようなお話、心当たりがありませんか。

そう、「坂の上の雲」の時代から100年以上の時空を隔てた今日、舞台をユーラシア大陸の西方・黒海のほとりに移して、同じような茶番が繰り広げられております。

以下、今朝の日経新聞から引用。

ロシア、南オセチアなど分離派の独立承認 大統領署名
【モスクワ=古川英治】ロシアのメドベージェフ大統領は26日、グルジアから分離独立を主張する南オセチア自治州アブハジア自治共和国の独立を承認する大統領令に署名したと発表した。グルジアの領土保全の尊重を要求してきた欧米諸国との対立が決定的になる。ロシア軍は停戦合意後も自治地域を越えてグルジア領各地で占拠を続けており、緊張が一段と高まる恐れがある。

メドベージェフ大統領はロシア南部のソチでプーチン首相ら政権幹部を集めた安全保障会議を開いた後、国営テレビを通じて南オセチアなどの独立承認を発表した。グルジアが国際法に違反して武力行使をした」などと主張し、各国にも独立を承認するよう呼び掛けると発言した。ロシアは両自治地域と軍事協定を結び、ロシア軍の駐留を法的に固める狙いとの見方が出ている。
NIKKEI NET(日経ネット):ロシア、南オセチアなど分離派の独立承認 大統領署名

歴史は繰り返すという言葉があるように、今回のグルジア紛争は、嫌な予感がしている。

個々の国、そして国際社会が、過去の過ちから「いかにすれば、戦争を避けられるのか」ということを学んでくれていることを願うばかりである。

坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)