日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

ローカルデザイン研究会


金曜日の夜は鈴木先生に誘って頂き、ローカルデザイン研究会に参加。
講演者は、あの高知の反骨デザイナー・梅原さん。150人くらいは来られていたでしょうか。会場は満員でした。

鈴木輝隆HP−ローカルデザイン研究会

それにしても、梅原さんは、デザイナーという枠には全く収まっていませんね。研究会後の出版記念パーティで、小布施堂の市村社長に「私は梅原さんをデザイナーとは思っていません。地域おこしの総合プロデューサーです。ついでにデザインもする、くらいに捉えています」と紹介されていたけど、まさにそんな感じ。

あと、二時間以上の講演で使ったスライドは、数百枚あったかと思いますが、全て自分が手がけた商品と、それに関連する風景の写真のみ。文章やポンチ絵など一切なし。作品で語る。これ、すごい。変にロジックで組み立てるプレゼンより、こういう自分がやったことで組み立てるプレゼンは圧倒的ですね。

また、梅原さんはコピーライターでもあるんだなあと思った。言葉が短く、力を持っている。

以下、印象に残った言葉をメモ。

  • 四万十ドラマ、最初に「水(mizu)」というコンセプトブックをつくった。モノをつくるのはあとでいい。最初にやることは、まず自分の顔をつくることや、と。
  • 地方の情報も全て東京で編集されて発信されていた。まずは自分たちで自分たちのことを編集して、自分たちで発信しようやと。
  • 「RIVER」という雑誌もずっと発行している。ライバル(rival)という言葉の語源は、riverらしい。川の向こう岸に立ってる人とガチンコすること。四万十川も他の川に負けんとこや、と思ってる。
  • アイデアが浮かんだら、そのこと自体が地域の味になる。
  • (20分で作ったというCMを見せて)このくらいでええんちゃうの、資本主義は。
  • しいたけを売るだけでなく、原木で作ってることをちゃんとメッセージせえ。状況を知らせること、それが商品開発やろ。
  • この風景が残った。この風景から商品が出ている。
  • これでいいやん。こんな感じ。幸せなのは。
  • メッセージは短く。そのとき、コミュニケーションのパイプが太くなる。
  • 「マイナス1×マイナス1=プラス1」これが自分のデザインの法則。地域の人がコンプレックスに思っていること(-1)を裏返す(-1)ということ。それが個性(+1)になる。
    • 例えば、海士町の人は牛肉が手に入らないから、サザエをカレーに入れていた。しかもそれを恥ずかしがっていた(-1)。それに、あえて「島じゃ常識」(-1)とコピーを付けた。そうすることで、「島じゃ常識サザエカレー」は、ヒットした(+1)
    • 例えば、カツオの一本釣りは非効率な漁法として敬遠されていた(-1)。それを、あえて、さらに非効率に藁で焼いた(-1)。そうすることで、「藁焼き一本釣りたたき」は、ヒットした(+1)
  • 行政は、-1に+100を掛けようとする。そうすると−100になってしまう。リゾート開発なんていい例。何もしないことが重要だ。
  • 行政にはセンスがほしい。
  • 自分たちが恥ずかしがっていることが個性。
  • 人間の豊かさというのは、その人の頭の中にある。
  • 都市と地方はイコールだと思う。そう考えることが大事で、現象ではない。世界のどこにいても、考え方次第で中心になる。
  • 豊かな発想を持っている人が豊か。豊かな発想を持っている村が豊か。豊かな発想を持っている国が豊か。そういうふうに決めようやないか。
  • 一次産業は、「一次」というくらいで全てのベース。ベースが細くなったから、二次産業、三次産業がぐらついてる。