日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

『魔法にかけられて』

年度末のヤマ場も越えたので、昨日仕事帰りに、妻と映画のレイトショーを観に行った。
魔法にかけられて』というディズニーの新作。たまたまこの映画がレイトショー枠でやっていたから観ただけなのだが、予想以上(予想外?)に面白かった。

いかにもディズニーのお姫様キャラなジゼル姫が、おとぎの国(アニメの世界)から、現代のニューヨーク(実写の世界)に紛れ込んでしまい、ディズニーの“お約束”が通じない社会の中でドタバタ騒動を巻き起こすというストーリー。ありがちといっちゃありがちなストーリーだけど、これをディズニー社が自ら作ったというのが面白い。

白雪姫やシンデレラなど、ディズニーの過去の作品を徹底的にパロディのネタにしている。ホットドックに感動したり、クレジットカードで買い物しまくってみたり、おとぎの国から助けにきてくれた運命の王子ではなく、ニューヨークの堅物弁護士と恋に落ちてしまったり。そして、最後は、実写の世界(現代のニューヨーク)で生きていくことを選んでしまう。(観ようと思っていた方、ネタばれですいません・・・)

ただ思ったのは、この映画はパロディではあるけど、ディズニー映画の王道でもあるということ。

ディズニーやその仲間たちが80年以上も前から言い続けてきたことは、「ポジティブに生きよう」ということだったのではないだろうか。

ジゼル姫は、とことん前向き。乞食に物を盗まれようが、雨に濡れようが、家を追い出されようが、恋人を竜にさらわれようがへこたれない。振り返ってみると、シンデレラにしても、ライオンキングにしても、ピノキオにしても、普通に考えるとあり得ないくらい酷い仕打ちを受けているのに、決してめそめそしない、酷い仕打ちをした人にも後腐れがない。

「ポジティブに生きよう」。ディズニーの後継者たちは、それをもっとストレートに伝えるために、現実世界に、お姫様を送り込んでみせたのではないかと。「こんな大変な世界だからこそ、ポジティブに生きよう」と。

さらにこの映画は、「ポジティブ」の意味まで具体的に示してくれている。

現実から目を背けない姿勢こそ、「ポジティブ」なのだと。