日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

島を考える

大学の頃からすっかり、山のイメージ(登山ではなく、山仕事だが)になってしまったようだが、自分の人格(DNAと言ってもいいかもしれない)は、山系か海系かと考えてみると、ほんとは海系かもしれない。

父方のルーツは五島列島宇久島で、母方のルーツは鳥取の日本海に面した赤碕と、私を構成する二つのルーツは山中と言うよりは海に近い。また、子供の頃夏休みの思い出と言えば、日本にいたときは宇久島に行ったり、タイやインドでは、サメット島、サムイ島、モルジブに行ったり。

先天性のものか後天性のものかは知らないが、私の性格は、(収拾がつかなくなるくらい)好奇心が旺盛だったり(根拠なく)楽天的であったりするのだが、お世話になってきた山村の方の性格と自分のそれに大きな差を感じることが少なくない。私が山でお世話になってきた方には、多くを語らずして、どっしりと忍耐強く一つのことに取り組まれている方が多い。そいういう姿勢にあこがれつつも、私には欠けている・・・。

今年度、入社してから初めて島をフィールドとする仕事に巡りあって、11月、12月なんかは、バリ島に1週間行った2日後から、小笠原諸島に4週間行ったりと、かなり島づいているのだが、なにかと自分のルーツに思いを馳せることがある。

自分にとって、仕事は、自分のルーツ探しでもあるので(私は、それを密かに「ある日本人のルーツ発見の旅プロジェクト」と名付けている)、島や漁村の仕事も一つの柱にしていこうと最近思う。

それはさておき、島というのは、その社会にしても、その自然にしても、とても繊細であることを実感する。

かつての自給的な暮らしが完全に失われた現代においては、島は、食料、生活必需品、建築資材、車などありとあらゆる物資を外部(本土や外国)に依存する。

発電や廃棄物処理などの社会コストが島の経済を圧迫する。そして、埋立物や土木インフラなどがじわじわと島の自然をも圧迫する。

外界との交流の少なかった孤島では、外来種が一瞬のうちに固有種を駆逐する。

若者は仕事を求めて島から出ていく。年老いた親が後に続く(私の父の家族も例外ではない)。

そんな島嶼でどう、社会や経済、環境を維持していくのか、答えは簡単ではない。じっくり考えていきたい。