日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

薪炭キャンペーン・メールマガジン(第7号)


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薪炭キャンペーン・メールマガジン(第7号 2008/2/18)
from 日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会
>>> http://www.sumimaki.org/
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□ 目次
[1.キャンペーン事務局からご挨拶]
●来年の冬までには!(事務局長 嶋田俊平)
[2.今月のヘッドライン]
● 原油高騰でまきストーブ、ボイラー、火鉢が人気?/など
[3.キャンペーン事務局からのお知らせ]
●キャンペーンにご参加ください!
●「火のある暮らしのはじめ方」好評発売中!!
[4.今月のイベント情報]
バイオマス産業社会ネットワーク第75回研究会「日本林業の復活への道筋と木質バイオマス利用の推進」(NPO法バイオマス産業社会ネットワーク)
●「薪ストーブ料理教室」(有限会社ウッドライフ)
●炭焼きシンポジウム「環境とエネルギーを暮らしの中で考える」(NPO法人恵那山みどりの会)
[5.薪炭クッキング]
●冬の夜長の炒り豆 (尚炭&真炭)
[6.コラム「炭わが人生」]
●掘炬燵のこと(国際炭やき協力会 広若剛)
*今月は「キャンペーン賛同団体紹介」はお休みです。
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[1.キャンペーン事務局からご挨拶]

こんにちは。事務局・嶋田です。
さて、今号から、「今月のヘッドライン」というコンテンツを追加しました。最近1ヶ月程度のヘッドライン記事のリンクをまとめたものです。薪炭を中心としたバイオマスに関して、どういった出来事が注目されているのかを、ざっと把握することができると思います。

この冬の傾向としましては、
 2008-2-3: 原油高騰でまきストーブ、ボイラー、火鉢が人気  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?313
 2008-2-8: 鉄造形作家の薪ストーブが人気@京都市右京区 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?318
など、原油価格高騰を背景として、薪ストーブや七輪などの人気が高まっているといったニュースが多く見られることです。
薪炭キャンペーンは、こうした社会のニーズに対応した情報インフラを構築できないかと話し合いを進めています。
今、議論をしている主なトピックは、以下の二つです。

■「薪炭マップ
薪炭を販売している燃料店、薪炭を利用している飲食店や、薪ストーブを販売しているお店や薪炭の火で暖まることのできるスポットなどを知ることができるタウンマップです。現在、京都府、愛知県豊田市、神奈川県で完成していますが、これの全国版を作れないかと考えています。
ただ、そのためには、全国各地の沢山の人に情報収集に参加してもらうことが欠かせないので、そのあたりのシステムをどうすべきかを話しています。
 京都府版 薪炭マップ http://www.sumimaki.org/04/kyoto/index.htm
 愛知県豊田市版 薪炭マップ http://www.sumimaki.org/04/asuke/index.htm
 神奈川県版 薪炭マップ http://www.sumimaki.org/04/kanagawa/index.htm

■「薪炭融通ネットワーク」
薪炭を欲しい人」と「薪炭が余っている人」を結びつけ市民自身が薪炭を融通しあったり、一緒に山に行って集めたりするネットワークです。前号でご紹介頂いた「ふくしま薪ネット」さんなど、すでにこういった取り組みをはじめられたところも増えていますので、キャンペーンとして、すでに取組んでおられる団体を紹介したり、まだ取り組みが始まっていない地域のために、WEB上に情報を交換する掲示板を設置したりしてはどうかと考えています。

残念ながらこの冬には間に合いませんでしたが、来年の冬までには、形にしたいと思っています。来年も原油価格が以前のように低位に推移することはないでしょうし、京都議定書の約束期間に入り自然エネルギーへの需要・注目も一層増すことでしょう。皆様にも是非ご意見、ご協力いただければと思います。
それでは、メルマガ第7号をお楽しみください。

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[2.今月のヘッドライン]
2008-2-8: 鉄造形作家の薪ストーブが人気@京都市右京区 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?318
2008-2-7:インドの焼き芋屋さん http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?317
2008-2-6: 三重県で野猿(やえん)の研修会開催  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?316
2008-2-3: 炭で地域おこし@山形県真室川町  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?315
2008-2-3: 人工薪「ウッドブリケット」の販売  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?314
2008-2-3: 原油高騰でまきストーブ、ボイラー、火鉢が人気  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?313
2008-1-31: 高校生が木炭バイク開発  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?312
2008-1-16: 囲炉裏の日(1月16日)   http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?311
2008-1-10: 古い日経新聞や少年ジャンプを薪にする「Newspaper Brick Maker」 http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?310
2008-1-10: 山林の荒廃防止、薪ストーブ普及へ 間伐作業で薪提供・富士見町  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?309
2008-1-6: 鏡もち炭火で美味  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi?308

キャンペーンHPのトップに『バイオマス情報ヘッドライン』を設置しました。 
http://www.sumimaki.org/top.shtm
 このシステムは、全国各地(海外も含め)の、薪炭等のバイオマスに関連する旬のニュース、面白いニュース、豆知識などを、自由に投稿してもらい、紹介しあうものです。どなたでも自由に投稿して頂けますので、奮って投稿ください。投稿は右のページから!  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi

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[3.キャンペーン事務局からのお知らせ]

◆キャンペーンにご参加ください!
2008年2月現在、キャンペーン賛同団体は51団体になりました!順調に団体数が増えています。日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーンでは、参加者・参加団体を募集しています。
http://www.sumimaki.org/01/san.htm


◆「火のある暮らしのはじめ方」好評発売中!
薪炭キャンペーンで製作に取り組んできた、 書籍『火のある暮らしのはじめ方』が出版されました。この本では、薪炭による「火のある暮らし」をさまざまな形で実践されている方に、その魅力を語っていただきました。また、薪炭等のバイオマスに関する基礎知識、火の扱い方、火の持つ様々な効果や歴史など沢山のノウハウ・情報を紹介します。この本が、皆さんの「火のある暮らし」の第一歩となれば幸いです。

編集:日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会
発行:社団法人農山漁村文化協会
仕様:B5判、96頁(カラー64頁)
定価:1,500円(税込み)

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[4.今月のイベント情報]

バイオマス産業社会ネットワーク第75回研究会
「日本林業の復活への道筋と木質バイオマス利用の推進」
日 時:2008年2月22日(金)18:30〜20:30
テーマ:「日本林業の復活への道筋と木質バイオマス利用の推進」
講演者:相川 高信(三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)研究員)
会 場:環境パートナーシップオフィス
    (東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F)
     地下鉄表参道駅より徒歩5分・JR他渋谷駅より徒歩10分
     http://www.geic.or.jp/geic/intro/access.html#epo
参加費:BIN会員 無料、一般 1000円

※第75回研究会は、林野庁新生産システム事業や施業プランナー育成事業等に現場で関わっている相川高信氏による「日本林業の復活への道筋と木質バイオマス利用の推進」です。
※国内需要を賄えるだけの資源量を持ちながら、8割の木材を輸入している日本の現状では、利用可能なバイオマスの半分を占める木質バイオマスの利用も進んでいません。
※しかし欧米先進国では、林業は当たり前に成立しています。なぜ、日本で林業が成立しなかったのか、日本国内における問題解決の方法として、川上から川下までの合意形成・集約化を行なう新生産システムなど、事例を挙げながら、講演していただきます。
※木質バイオマス利用を見据えた日本の林業復活シナリオについて、参加者の皆さんとディスカッションできれば大変、幸いです。
※参加を希望される方は、下記よりお申し込みください。
http://www.npobin.net/apply/(画面右端の「詳細」ボタンをクリックしてください。)
お問い合わせ:NPO法バイオマス産業社会ネットワーク

◆薪ストーブ料理教室

薪ストーブ料理のベテランがダッチオーブンを薪ストーブの上や炉内で使いこなすコツを教えます。生地からつくる本格的なピザやローストチキン、簡単で美味しいスープ、デザートなどなどストーブ料理の魅力大発見ですよ。お母さんにはもちろん、お子様からお父さんにも大好評の薪ストーブ料理教室
に是非ともご参加ください。

場所:ウッドライフ 郡山市安積町日出山2−162
日時:平成20年2月23日(土) 午前10時30分〜午後3時
   ※10時15分頃までに集合してください。
参加費:○大人1,000円 ○小学生・中学生は500円 ○幼児無料
     参加費は材料費です。当日受付時にお支払いただきます。
定員:10名程度 (先着順受付し、定員になり次第募集を締め切らせていただきます)
申し込み方法:電話、FAX、メールでお申し込みください。
お問合せ・お申込み先:ウッドライフ
  電話024−956−9811
  FAX024−956−9800
  メールinfo@wood-life.co.jp

◆炭焼きシンポジウム
 「環境とエネルギーを暮らしの中で考える」

森林資源を活用する新たな炭焼き文化の構築 マキ・炭、心豊かな火のある暮らしを求めて

日 時:2008年3月8日(土)13:00〜16:00
場 所:にぎわいプラザ1階ホール(JR中津川駅前)
参加費:300円
プログラム:
 13:00 フォークコンサート 田中鉦三・土着民
 13:40 恵那山みどりの会活動紹介
 14:00 シンポジウム
 16:30 終了
 17:00 交流会(会費2,000円)当日受付
パネラー:
 菊池與志也(岐阜県立森林文化アカデミー教授)
 杉浦 銀次(国際炭やき協力会会長・炭焼きの会副会長)
 姫田 忠義(民族文化映像研究所長)
 斉藤 和彦(あいち炭焼きの会副会長・三河炭焼き塾長)
*9日(日)9:00〜16:00炭焼作業体験(於・神坂窯)を行います

申込・問合せ:
NPO法人恵那山みどりの会
〒508-0033 中津川市太田町3-7-14
TEL&FAX 0573-65-1366
E-Mail midorinokai@wine.ocn.ne.jp

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[5.薪炭クッキング]

 謎のクレイジー尚炭(なおずみ)先生に教わった、美味しさと驚きに満ちた薪炭料理のとりことなったOLの真炭(ますみ)さんは、お正月太りで若干ふっくらしている今日この頃。
今日も、薪炭クッキング教室の扉を開けるのであった。(このコーナーは、真炭さんと尚炭先生の会話形式でお送りします)

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(真)先生、先月はお休みしてしまい、すみませんでした。実はお餅を食べ過ぎて気分が悪くなりまして。
(尚)いやいや、わしもいささか深酒して寝込んでおったところじゃよ。気にするなぃ。
(真)今年の抱負は、腹八分目です。デザートと食後酒を除いて。
(尚)…ふーむ。年初めといえば、実は2月の節分は、かつてはその名の通り季節を分ける日だったんじゃ。つまり節分の次の日である2月4日が立春で、旧暦では新しい年の始まりだったわけじゃな。
(真)それで大晦日にあたる日に豆をぶつけて、鬼を追い払ったんですね。
(尚)そうじゃ。そうして邪気を追い払い、一年の無病息災を願ったんじゃな。よし、今日は節分の豆を炒ろうかの。
(真)炒ると言えば、ゴマしか炒ったことがないけれど、自分で炒り豆もできるんですね。
(尚)炒りたては、店に並んでるもんとは香りが違うぞ。ほれ、もうできた。ぽりぽり。ふむ、これだけでよいつまみじゃわい。冬の夜長にはぴったりじゃ。
(真)ぽりぽり。あ、先生もう飲んでる!私にもください!
(尚)ぽりぽり。ふむ、止まらんのう。豆まきをする代わりに、胃袋に入れてやろう。
(真)ぽりぽり。そういえば、自分の年と同じ数だけ豆を食べる風習がありましたね。
(尚)ぽりぽり。さすれば真炭くんは思ったより年をとっておるようじゃな。
(真)ぼりぼりぼり。。。

★今月の薪炭クッキングレシピ★
## 冬の夜長の炒り豆 ##

■材料:
   大豆(乾燥したもの)

■作り方:
▽ 手鍋又は小さめのフライパンを炭火かストーブにかけ、10分ほど揺すりながら炒る。
▽ 香ばしい香りがしてきて、皮に亀裂が入ったら食べてみる(熱いので注意すること)。
▽ 食べやすい硬さになったらできあがり。

*地域によっては、節分当日の夕暮れ、柊の枝にイワシの頭を刺したものを戸口に立てておく風習もあります。

## レシピ番外編 イワシの香草焼き ##

■材料:
   イワシ
   塩
   香草(乾燥したミックス)


■作り方:
▽ あらかじめ塩を振ったイワシに、香草をまぶす
▽ 5分ほどおいてしっとりさせる。
▽ 軽く水分をふき取ってから、炭火に網で焼いてできあがり。

*香草は、パセリ、バジル、フェンネルオレガノなどあるものでよい。

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[6.コラム「炭わが人生」]

File6.掘炬燵のこと

 私が8歳まで過ごした宮崎の家は掘炬燵だった。この堀炬燵は昭和18,9年頃、じいちゃんが防空壕を掘るついでに作ったもので当時8歳だった私の父は一人で土運びをさせられ、とてもつらかったと言う。
 子どもの頃は堀炬燵が当たり前だと思っていたが、父たちに聞いてみると、堀炬燵がある家はわりと珍しかったらしい。ちなみに堀炬燵というのは明治の終わりにバーナード・リーチというイギリス人の陶芸家が発明したものと言われていて、実は結構新しいものなのだ。
 母方の方は農家だったが、囲炉裏があったため堀炬燵はわざわざ掘らなかったらしい。母も堀炬燵にはいい思い出がなく、私がこの世に出る前の大きいお腹をかがめて、外で熾した真っ赤な炭団を炬燵の中に埋めるのにフウフウ言ったという。
 しかし、私にとって堀炬燵は何だか妙にわくわくするもので、ばあちゃんが五右衛門風呂を沸かした残りのオキを火の粉を散らしながら運んで来る時のトキメキは、今でも忘れない。じいちゃんばあちゃん、父母とその掘炬燵に足を投げ出し、わいわい言いながらご飯を食べたことは、私の一つの原風景である。
 多くの人がそうであるように、私にとっても炬燵というのは一家団欒の象徴のようなものだ。特にその頃、他の暖房がなかったから、寒くなるととにかく炬燵で、自然とみんなが寄り添わざるを得なかった。そう考えてみると、今はその頃より格段に進んだ暖房事情によって家中が暖かいから、どこにいてもよくて、昔のように夫婦喧嘩しても我慢して一緒にいるなんて意地っぱりなことはしないで済むご時世になったわけだ。
 ちなみに、堀炬燵の内側はセメントで張ってあったのだが、これが夏になると冷んやりしてなかなかいい感じだった。隠れんぼでよく掘炬燵の中に入って怒られたことも今では懐かしい。

 この堀炬燵と同じような雰囲気を味わったのがインド・東北部のミゾラム州に行った時である。彼らは私たちと同じモンゴロイドで、顔つきも日本人そっくりだが、夜になると知り合いの家に集まり、真ん中に鉄製の炭活けを置き、ガンガン炭を焚いて無駄話に花を咲かす。私が行った10年前はテレビも都市部にしかなかったので、田舎の夜はおしゃべりが一番の楽しみだったのだ。
 私たちが来たということで、特に普段は来ないような人もやって来てあれこれと尋ねたりして、裸電球と炭火だけの明かりの中でも毎晩大賑わいだった。ここの炭活けは穴がたくさん空いていて、どんどん炭を燃やすものだったから、ネラシを効かせた炭は火持ちもよく、温まり方が違うということで喜ばれたものだ。
 標高1000メートル以上のところなので、外は息が白くなるほどの寒さだったが、厚着をして顔と体を炭火に向けて話に高じていると、寒さは全く気にならなかった。

 話は戻って、堀炬燵の家の次に両親が建てた家には、当然だが掘炬燵はなかった。代わりに電気炬燵と石油ストーブが眩しい照明とともに颯爽と現れた。でもみんなで炬燵に入って過ごす習慣はそのままで、母を中心にいろんな話をしたものだ。
 今私が住んでいるのはアパートだから堀炬燵は無理だが、テーブルの下に大きな火鉢を置いて、家族みんなで足を乗っけて暖めながらご飯を食べている。今年小学生になる長男はパンも餅もやけるこの火鉢が大好きだ。休みの日には焼き物担当をやらせると喜んで炭をいじっている。彼の中で私と同じように、生の火がトキメキとともに生き続けてくれるといいなと願う、久しぶりに寒い冬である。

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*編集後記*
 広若さんも書いていましたが、今年の冬は寒いですね。折からの原油価格の高騰もあり、各地で薪炭が見直されているようです。昨年の冬に行ったヨーロッパでも、薪やペレットが引っ張りだこになっていましたので、世界的な動きのようですね。
 さて、イベント紹介にも掲載させていただきましたが、BINの勉強会で少し話をさせていただくことになりました。日本林業を再構築していくためには、どうしたらいいのか?現場のレポートも交えて、お話する予定です。お時間のある方(そして東京近辺の方)は、ぜひいらして下さい。

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発行:日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会事務局
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(株)森のエネルギー研究所内 薪炭キャンペーン

e-mail:info@sumimaki.org
tel:0428-28-0010
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