日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

薪炭キャンペーン・メールマガジン(創刊号)

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薪炭キャンペーン・メールマガジン(創刊号 2007/7/20)
from 日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会
>>> http://www.sumimaki.org/
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□ 目次

[1.キャンペーン事務局からご挨拶]
●はじめまして(事務局長 嶋田俊平)
[2.キャンペーン事務局からのお知らせ]
●キャンペーンにご参加ください!
●「火のある暮らしのはじめ方」好評発売中!!
[3.今月のイベント情報]
?[ふくしま薪ネット]岩瀬薪割りクラブin響きの森のお知らせ
?[NPO法人恵那山みどりの会]炭焼き塾のお知らせ
[4.キャンペーン賛同団体紹介]
薪く炭くKYOTO(副代表 倉田麻里)
[5.今月の薪炭クッキング]
ブルスケッタ(尚炭&真炭)
[6.コラム「炭わが人生」]
●五右衛門風呂のあった風景(国際炭やき協力会 広若剛士)

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[1.キャンペーン事務局からご挨拶]

皆さま
はじめまして。事務局・嶋田です。
日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーンの「火のある暮らしメールマガジン」創刊号をお届けします。
2004年秋から始まった薪炭キャンペーンですが、その後の2年間を、持続可能な薪炭生産・消費のあり方に関する議論、キャンペーンのコンセプトづくり、ホームページや書籍「火のある暮らしのはじめ方」の製作など、地道な“準備”に費やしてきました。
そして、この度ようやく、キャンペーンに賛同してくださる新たな仲間を募り、このメルマガやメーリングリスト、イベント等を通しての積極的な情報発信や、コミュニケーションの場づくりを始めることができました。
キャンペーンがようやく“離陸”できたことに感慨を持ちつつ、もう後戻りはできない、前に進むしかないと気を引き締めています。
“乗客”であるキャンペーン参加者の皆さまのお力になりたい。そして、さらに多くの人に、薪炭の魅力を感じてもらい、また、日本や世界の森林を取り巻く現状に対して関心を持ってもらいたい。そう強く思っています。
とは言え、まだまだ“場”として未整備な部分もありますし、より積極的な手を打たなければならないと認識しています。
このメルマガへの感想も含めて、事務局までご意見を頂ければと思います。
では、メルマガをお楽しみください。

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[2.キャンペーン事務局からのお知らせ]
◆キャンペーンにご参加ください!
日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーンでは、参加者・参加団体を募集しています。詳しくは、下記ホームページをご覧下さい。http://www.sumimaki.org/01/san.htm

◆「火のある暮らしのはじめ方」好評発売中!!
薪炭キャンペーンで製作に取り組んできた、 書籍『火のある暮らしのはじめ方』が出版されました。この本では、薪炭による「火のある暮らし」をさまざまな形で 実践されている方に、その魅力を語っていただきました。 また、薪炭等のバイオマスに関する基礎知識、火の扱い方、火の持つ様々な効果や歴史など沢山のノウハウ・情報を紹介します。この本が、皆さんの「火のある暮らし」の第一歩となれ
ば幸いです。
編集:日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会
発行:社団法人農山漁村文化協会
仕様:B5判、96頁(カラー64頁)
定価:1,500円(税込み)
詳細:http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4540063510/249-8903822-8045934

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[3.今月のイベント情報]

? [ふくしま薪ネット]岩瀬薪割りクラブin響きの森のお知らせ
岩瀬薪割りクラブでは、森林への恩返しとして下刈り作業を行います。併せて林内に放置されている原木を搬出して薪にします。

◆日程 7月22日(日)9:00〜15:00
◆場所 響きの森(須賀川市梅田字牛池地内)
◆問合せ 岩瀬薪割りクラブ(事務局 北川) (FAX 0248−25−1595)
 詳しくは、以下の「ふくしま薪ネット」を御覧ください。 「ふくしま薪ネット」 http://fukushimamakinet.hp.infoseek.co.jp/

? [NPO法人恵那山みどりの会]炭焼き塾のお知らせ
民泊しながら田舎暮らしと炭焼きを、ゆっくり・のんびり体験しませんか!!

◆日程
 ○第1回 2007.5.22(火)〜27(日)←終了
 ○第2回 2007.9.11(火)〜16(日)
 ○第3回 2007.11.13(火)〜18(日)
 ○第4回 2007.12.11(火)〜16(日)
◆場所 中津川市神坂
◆参加費 3,000円(各回・通しでも) 5泊(6日)食事つき30,000円

◆炭焼き塾の日程
 ●窯出し、炭材つめこみ
 ●炭焼きの文化、歴史、理論の学習 火入れ・窯をあたためる
 ●口火たき、10時間窯の温度を80度まで上げる 火入れの実技講習 木材の伐採とチェーンソー講習、手入れ
 ●窯の温度管理を続けながら 竹搾液、木搾液、精製
 ●窯の温度管理を続けながら 竹林整備
 ●精錬と窯とじ

◆申込方法
 ハガキ又はFAXにて、 「郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号」を記入の上、下記問合せ先へ ※10日前までに参加費・宿泊費を入金してください。郵便振替口座(記号12470番号24921141)
◆問合せ NPO法人恵那山みどりの会 〒508-0033 中津川市太田町3-7-14 TEL&FAX 0573-65-1366 E-Mail midorinokai@wine.ocn.ne.jp

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[4.キャンペーン賛同団体紹介(薪く炭くKYOTO)]

薪く炭くKYOTOでは、森林バイオマス(薪・炭・ペレットなど木材由来の燃料)の良さを伝え、利用を促進することを目的として活動を始め、今年で6年目を迎えます。会員は、森林バイオマスや森作りに関心のある様々な職種の社会人や学生が80名ほど集まっています。活動内容は森作り(広葉樹林の育林とフィールドの整備)・森林バイオマスの生産(薪割り・炭焼きなど)・勉強会・生産流通調査・先進地見学・イベントの開催(出展)などです。
私たちはこれまでの活動で、火の良さ・燃料を作って使うことの楽しさを実感してきました。地球温暖化問題という視点から森林バイオマスを見直そうという活動を始めたのですが、そういう難しい話を抜きにしても「火の良さ」を共有できる人がもっといるのではないかと思います。きっかけは違っても、「火の良さ」を共有できる仲間をもっと増やしていきたいし、違った視点からのアイデアを私たちの活動にも取り入れていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

薪く炭くKYOTO 副代表 倉田 麻里 ●URL:http://sinktank.kdn.jp/ ●E-mail:sinktank@keddy.gr.jp

このコーナーでは、キャンペーンの賛同団体を順番に紹介していきます。次回は、(株)森のエネルギー研究所です。お楽しみに!

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[5.今月の薪炭クッキング]

真炭(ますみ)さんは、食べることは大好きだけど、料理は苦手なOLさん。
最近いい人ができて、料理の腕を上げたいなぁ…と思っていたところ、ふと料理教室のチラシが目に留まった。
初めて訪れたそこは、謎のクレイジー尚炭(なおずみ)先生主催の薪炭クッキング教室だったのだ!(このコーナーは、真炭さんと尚炭先生の会話形式でお送りします)

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(尚)今日は初めての人が来ておるな。
(真)真炭です。食べるの大好きです!よろしくお願いしまーす!
(尚)では、先月は基本の「き」、炭のおこし方を教えたが、みんなばっちり復習してきたかな。
(真)(えっ…炭? 炭ってあの焼肉や焼き鳥の?)
(尚)ふん。では今日のメニューは「ブルスケッタ」じゃ。
(真)(ふーん、なんだかよく分からないけどおいしそう!)
(尚)ブルスケッタは、簡単にできるイタリアの洒落た前菜じゃ。ちなみにイタリアでは、木の6割は燃料として使われておるぞ。
(真)(イタリア料理なのね。『得意料理はイタ飯です』って言えるなんて素敵!)
(尚)さぁ炭はおこったかな。よし新入り、パンを焼いてみよ。
(真)パンを網に乗せればいいんですね。
(尚)スイッチもタイマーもないぞ。己の目と鼻を信じよ。
(真)クンクン。うーん、いい匂い!
(尚)一口食べてみよ。
(真)パクッ。うわ、サクッっとしているのに中はふんわり…。
(尚)炭火はガス火のように水分を含まないから、べチャッとしない。どんなパンでもサクッとパリジェンヌじゃ。焼きたての味がよみがえってパンも嬉しそうじゃのう。さて、今日はこれくらいにしておこう。次回のメニューは何がお望みかな?
(真)えーっと、じゃぁ、、、生ビールに合う料理をお願いします!!
(尚)こ、こやつ…。
実はお酒も大好きな真炭さんであった。

★今月の薪炭クッキングレシピ★ ## ブルスケッタ ##

■材料:フランスパン *古くても良い!
    オリーブオイル、レモン汁
   【のせる具】
    トマト 2個(サイコロ状に切る)、
    フレッシュバジル 4〜5枚(粗くみじん切りにする。乾燥
バジルでも可)、
    にんにく 1/2カケ(すりおろす)、
オリーブオイル 大さじ1/2、塩こしょう

■作り方: ▽ パンを焼いて、お皿の上に並べます。
▽ パンの上に、混ぜておいた具をのせて、レモン汁を数滴、
  オリーブオイルをたっぷりかけましょう。
とっても簡単、だけどおいしい!

数種類のキノコをオリーブオイルとにんにくで炒めて塩こしょうしたものや、アンチョビをのせてもおいしい
お好みでオレガノ等のハーブをのせても良い

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[6.コラム「炭わが人生」]
 五右衛門風呂のあった風景
 第一号からこう言うのも何だが、少年の頃の私は火が大の苦手だった。我が家は私が高校の頃まで五右衛門風呂だったのだが、このお風呂の焚き付けを時々やらされたのだ。で、これがなかなか火が点かない。じいちゃんばあちゃんたちはいとも簡単にサッと点けるもんだから「じいちゃんたちのをよく見てやればできるようになるよ」と言われても、何で自分のはだめでじいちゃんたちのがいいのか分からない。
 ちょっとプライドも出てくる年頃で素直に状況を見られないこともあったと思う。「何で俺がこんなことせんといかんの?」と思いながらじいちゃんたちのを形だけ真似てやってみては火が続かず、結局また馬鹿にされながらじいちゃんに後始末を頼むということの繰り返しだった。それでじいちゃんに代わると、私が押し込んだ端材をきれいに掃除して、それをちょちょっとかまどの手前に組み上げていたかと思うともう火が中で轟々と音を立てている。「じいちゃんはすごいなぁ」と素直に感心したものだが、あまり上手すぎて私にはやっぱり無理だとも思ったものだ。
 五右衛門風呂のかまどの口はとても小さい。今思い出すと縦12cm×横18cmくらいだったと思う。ただ、奥行きは50cmくらいあったと思うが、どう考えても火燃しの上級者用の大きさだ。とは言っても昔は調理用のかまどの口もこれくらいの大きさで、つまりはこれが標準だったわけだ。ただ、経験のない私には野原で焚き火をするくらいの大きな面積が必要だったというだけのことである。ともかく、これですっかり火には苦手意識を持った。 
 今でもこのトラウマは完全に解消されていない。さすがに大人になってからは数え切れないくらい焚き火もしたから火燃しに失敗する
ことはないけど、火を点ける瞬間にふと不安がよぎることもある。だから火を点ける瞬間は今でもちょっと緊張する。
 点火こそ難しい五右衛門釜だが、いったん点いてしまえばあとは放り込むだけなので、また代わってもらい、かまどの前に座って盛る一方の火の勢いを楽しんでいたのも何を隠そうこの私である。そうか、そうしてみるとただ嫌っていたばかりでもないんだな。今はじめて気がついたけど、少年の私もちゃんと火を味わってもいたんだな。冒頭の文章は訂正しよう。少年の私は火点けが苦手だったんだ。
 我が家の五右衛門風呂は私が大学に入る前にボイラー給湯式のつるつるの風呂に変わってしまった。両親に後から聞いた話では、五右衛門風呂は毎日の風呂焚きや掃除、燃材の準備など手間がかかるから早く近代的な風呂に代えたかったのだそうだ。しかし、それではじいちゃんの仕事がなくなってしまうため、風呂だけはできるだけ長く残そうとしたらしい。しかし、じいちゃんもだんだん家の仕事ができなくなったため代えたということだ。
 今、風呂焚きと共に思い出すのはじいちゃんやばあちゃん、おかあさんたちがみんなして台所周りで夜の準備にいそしんでいる情景である。かまどから漂う火の匂い、夕餉の香り、そしてお線香の芳香の中で一日の仕上げに向けてみんなそれぞれに淡々と役割をこなしていき、揃って夕食をいただく。そんなかけがえのない日常もあった。今思い出すととても贅沢な日々だったんだなぁ。
 そして今は自分の家族と一緒にそれなりの日常を築き上げている最中である。しかし、自分の子どもたちにはあんな贅沢な夕刻は体験させてあげられていない。今のところは一緒に過ごす時間をできるだけ確保するのがやっとである。でもいつか火の匂いも彼らの記憶の一部となるよう、親として努力せねばと考えているところである。
 国際炭やき協力会 広若剛士

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*編集後記*
いよいよ、薪炭キャンペーンのメールマガジンの発行が始まりました。数あるメールマガジンの中でも、キラリと光るものにしたいと思います。ご意見ご感想や、こんなコーナーを作ったら面白いのではないかといったアイデアがあれば、ぜひよろしくお願いいたします(相川)。