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日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

「ありきたりじゃない 新・外食」(米山久)

読書

農・林・畜・漁に関わらず産直系の動きで今一番勢いがあると思うのが、APカンパニーという会社です。

「宮崎県日南市 塚田農場」(自社養鶏場の地頭鶏を使った地鶏専門居酒屋)、「四十八漁場」(自社漁船と定置網獲れ鮮魚専門居酒屋)など、創業わずか10年で、今や16業態120店舗以上を展開している会社です。

http://www.apcompany.jp/

その社長さん・米山久氏の著書。めちゃくちゃ面白い本でした。

ありきたりじゃない 新・外食

ありきたりじゃない 新・外食

初めて「塚田農場」に行ったとき、茶髪で浴衣をラフに着たおねえちゃんがケタケタ笑いながら接客をしていて、なんかチャラチャラしているなあと思っていたのですが、通う度に、その地頭鶏(じとっこ)の旨さ、店の繁盛ぶり、店員さんのホスピタリティに驚かされ、これは「ホンモノ」だなと思うようになり、ついついリピートを重ねていたわけですが、この本を読んで全て納得がいきました。

まず、『日本の食のあるべき姿を創造する』という会社のミッションからして素晴らしいです。しかし、このミッションに行き着くまでに紆余曲折があったようです。

不動産業の営業マンをしたり、ダーツバーを経営したりしていたバリバリのビジネスマンだった米山社長。何となく(?)地鶏に目を付け宮崎・日南に地鶏を買い付けにいくものの相手にされず、それでも、あきらめず地元行政や地鶏生産者とぶつかり合いの末に仕入れ先を確保し、さらには、自社農場や加工センター、孵化場などを立ち上げた。

自ら第一次産業に踏み込んだことで、生産者の想いやこだわりに共感し、あの手この手でお客さんに伝えるようになり、その結果贔屓にしてくれるお客さんが増え、その結果、店舗が増え、巡り巡って地域に雇用が生まれた。

この宮崎での成功体験によって、それまでは「事業拡大」至上主義だった社長は、初めて、「生産者の想いをお客様に伝えることでお客様に響く」「その結果、生産者の喜びにつながる」、そして「地域に雇用が生まれる」。これこそが、「食のあるべき姿」ではないか、その姿を実現することこそが飲食業の「存在意義」なのではないかと気づき、今のミッションに辿りついたようです。

塚田農場の凄いところは、このミッションがアルバイトも含め社員に徹底的に共有されていることです。社長は、このミッションが生まれ、「誰のために?」「何のために?」が明確になったことで、「関わる人のモチベーションが設計できた」と表現しています。

実際に、自分が塚田農場に行ったときも、アルバイトさんがとても楽しそうに、それぞれの食材のことを説明してくれたり、お勘定の後に特製のねぎ味噌をプレゼントしてくれたりしたことを思い出します。

と、まあ、長々と書きましたが(汗)・・・
おいしい、うれしい、楽しい、そんな良い体験が沢山詰まったお店、そしてそのお店の食材を作っている生産者さんもみんなハッピー。そんな「あるべき姿」、理想像を、数百店舗の居酒屋チェーンという大きな規模で実現しようとしているAPカンパニーさんには是非頑張ってもらいたいと思いましたし、自分も自分の仕事の中で見習っていきたいと思いました。

ご関心のある方は、是非この本を読んでもらいたいですし、その前に、(まだ行ったことのない方は)是非一度塚田農場に食べに行ってみてください!