日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

ヤマガタ サンダンデロ (YAMAGATA San-Dan-Delo)

昨日は、とあるプロジェクト関係で有楽町・銀座あたりの店舗リサーチをしていたのですが、たまたま知る人ぞ知る山形のイタリア料理店「アル・ケッチャーノ」の奥田政行シェフが手がけた「ヤマガタ サンダンデロ」を発見。

東京に進出して予約がなかなか取れないほどの人気と聞いていたのですが、金曜日の昼ということでたまたま空席があり、運良く入れました。

ヤマガタ サンダンデロ

食べログヤマガタ サンダンデロ

ちなみに、「アル・ケッチャーノ」については、以下の記事をご参照のこと。

たった1軒のレストランが庄内平野を変えた:日経ビジネスオンライン

「アル・ケッチャーノ」は一軒のイタリア料理店でしかないわけだが、その店が山形県庄内地方に与えている有形無形の影響については、以下のように描かれています。

もっとも、アル・ケッチァーノの存在意義はただの名店というにとどまらない。庄内地方の元気を作る中核として、交流の場として大きな役割を果たしている。そして、経済的な評価を超えた、地域社会の新しいモノサシを提示している。
20人のスタッフが働く本店に訪れる客数は4万4000人。東京・銀座にある山形県のアンテナショップに出店している姉妹店、「サンダンデロ」にも2万1000人が訪れる。両店をあわせれば、6万5000人が利用している計算だ。仮に1人5000円とすれば、3億円強の売上高を上げている。
それに加えて、「地場イタリアン」を標榜しているアル・ケッチァーノは地元から食材を仕入れることに徹底してこだわっている。農産物だけでも仕入れ農家は50軒を数える。この経済効果も1億円近くはあるだろう。そして、ここで庄内の美味に出会った人々が新しい販路の誕生に一役買っている。
実際に、銀座松屋には庄内の野菜コーナーが誕生した。東京などから庄内に美味しいものを求めてやって来る人も増えている。この店が起点となって、庄内地方を訪れる人がいるということだ。観光経済効果も相当なものだろう。

こうした地域への効果を生みだせてきた背景には、奥田シェフの以下のような努力があるようです。

アル・ケッチァーノが有名になり、取材がたくさん来始めた。この時、奥田シェフは取材をうまく利用しようと考えた。取材に来たマスコミに対して、美味しい食材を作る生産者なくしてアル・ケッチァーノは成立していないことを強調、生産者への直接取材をしてもらったのだ。その時、庄内平野の風景を一緒に見せることも条件にしている。
ちなみに、奥田シェフにこれまでで一番嬉しかったことは何かと聞くと、「雑誌に月山の写真が載ったこと」と答えた。雑誌に写真が載って、「庄内平野を世に出すことができた」と思った。

「風景」へのこだわり。これは、高知のデザイナー・梅原真さんのこだわりと同じものを感じました。梅原さんがデザインの力で地域の風景を守っているとすれば、奥田シェフは食の力で地域の風景を守っていると言えるでしょうか。

土佐に住み、土佐の一次産業をデザインする。そして、土佐の昔ながらの、人が生き生きと暮らし、働く風景を守っている。風景を、デザインによって生み出しているといったほうが良いか。
「ニッポンの風景をつくりなおせ 一次産業×デザイン=風景」 - 日本再発見ノート Rediscover Japan.

  • しいたけを売るだけでなく、原木で作ってることをちゃんとメッセージせえ。状況を知らせること、それが商品開発やろ。
  • この風景が残った。この風景から商品が出ている。
  • これでいいやん。こんな感じ。幸せなのは。

ローカルデザイン研究会 - 日本再発見ノート Rediscover Japan.

いやはや。奥田シェフにはお会いしたことはありませんし、庄内の「アル・ケッチァーノ」にも未だ足を運べていませんが、梅原さんや奥田シェフのように、地域に根ざして「腕一本」で地域の第一次産業や、それによってつくり出される風景を守っている方には尊敬の念を覚えます。「アル・ケッチァーノ」には、近いうちに必ず行ってみたいと思います。

さて、「ヤマガタ サンダンデロ」。味覚にはそれほど自信がないのでうまく表現できませんが、とても素晴らしい料理でした。

私が頼んだのは1800円のランチパスタセット。(そのときの財布の事情で3300円のランチコースには手が出ず・・・)


新鮮野菜のバーニャカウダとフォカッチャ。コゴミや白菜、さつまいも、春菊などなど。いずれもシェフが自分で山に入ってとったり、信頼できる契約農家さんで栽培してもらっているもの。何もつけずに生のまま頂きましたが、ほのかな甘みを感じました。

パスタ。写真を見ても分かるように生の野菜がびっくりするくらいに使われていましたが、全く青臭さもなくおいしかった。

ドルチェ。山形と言えばイチゴ。イチゴのシャーベットは一切の水を使っていないらしく、まさにイチゴの濃厚な甘さと酸味、つぶつぶ感が絶妙でした。

壁にはディナーコースのお皿の絵が掛かっていましたが、なんと16皿。山の幸、海の幸、里の幸がふんだんに使われたものばかり。いつか奮発して夜に来たいものです。