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日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

ドキュメンタリー アブグレイブ刑務所虐待事件

友人の亀ちゃんが製作に関わったドキュメンタリー「微笑と虐待 〜証言・アブグレイブ刑務所虐待事件〜 」が、地上波でも昨夜放送されたので、ようやく観ることができた。

この事件については、2003年当時、刑務所で撮られた残虐な写真の数々を新聞や雑誌で見て衝撃を受けたし、ブッシュ大統領がその事件に関わった兵士達を「腐った7つのリンゴ」と呼び厳重に処罰したのは、適切な処置だと思った記憶がある。

が、問題はそんな表層的なものではなかったのだ。

処罰されたのは、「写真の中」の兵士のみ。流出した写真に写っていた下級兵士だ。

「写真の外」、つまり写っていない兵士や幹部は、全く責任を逃れている。カメラはそこに踏み込んでいく。

処罰された兵士へのインタビューから、彼らが一種の「命令」「扇動」を受けて、そのような行為を行っていたこと、そしてそのような行為が当時日常化していたことが分かる。

さらには、ミラー少将など最上位の司令官までもが、捕虜達を「精神的、肉体的に不安定な状態」に置くように指示していた。

しかし、結果的に、「腐った7つのリンゴ」だけが箱から捨てられ、事件の幕は下ろされた。

なぜそのリンゴが腐ったのか、箱自体が腐っていたのではないか(今も腐っているのではないか)、そんなことは一切の追求を逃れている。

そんな深い闇を、このドキュメンタリーは、写真(裸のイラク人がピラミッド上に積み上げられた上でポーズを取っている写真)に写っている女性兵士の「微笑」に焦点をあてることで際立たせる。

現在仮釈放中の彼女は、「なぜ微笑んでいたのですか」という問いにこう答えている。「付き合っていたボーイフレンド*1に写真を撮ってもらえて、うれしかったの。イラク人のことなんて全く考えていなかったわ。虐待なんて全く珍しいことでもなんでもなかったから。」*2

「微笑」と「虐待」。戦争の狂気。人間の弱さ。そんなものがずっしりと響く。

*1:彼も10年間の禁固刑で服役中

*2:記憶で書いているので正確ではないかもしれません。