日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

薪炭キャンペーン・メールマガジン(第6号)

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薪炭キャンペーン・メールマガジン(第6号 2008/01/11)
from 日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会
>>> http://www.sumimaki.org/
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□ 目次

[1.キャンペーン事務局からご挨拶]
●明けましておめでとうございます。(事務局長 嶋田俊平)

[2.キャンペーン事務局からのお知らせ]
●キャンペーンにご参加ください!
●「火のある暮らしのはじめ方」好評発売中!
●「バイオマス情報ヘッドライン」を設置!
●「Viva!薪ストーブクッキング 」好評発売中!

[3.今月のイベント情報]
●炭焼きシンポジウム(岐阜県中津川市
●本物志向の森づくり“プチ”講座(大阪府南河内郡

[4.キャンペーン賛同団体紹介]
●ふくしま薪ネット(渡部さん)

[5.コラム「炭わが人生」]
●(国際炭やき協力会 広若剛)

*今月は「薪炭クッキング」の連載はお休みです。

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[1.キャンペーン事務局からご挨拶]

事務局・嶋田です。
明けましておめでとうございます。皆さま、お正月はいかが過ごされましたでしょうか。
私は、毎年祖父母が暮らす鳥取に帰省していますが、このキャンペーンを始めるようになってから、帰省の楽しみが一つ増えました。
その楽しみとは、かつて鳥取県米子市で炭問屋をやっていた祖母の話を聞くことです。

炭切りのおっちゃんが沢山出稼ぎで働いていて、にぎやかだったこと。炭焼きさんが、背中いっぱいの炭を、山から運んできていたこと。炭の商いで7人の子供を全員高校や女学校に行かせたことが、祖母の父の自慢だったこと。国鉄が大口のお客さんで、よく配達していたこと。
などなど、炭ばなしは尽きることがありません。

残念ながら、その問屋も、その後の燃料革命で電気屋に商売替えし、さらには、平成に入って月極駐車場になったという悲しいオチもつきますが・・・。

それはともかくとして、私は、祖母の話にいつも勇気づけられます。そんなに遠くない昔に、炭や薪が生活や産業の表舞台にあったということ。

「所詮昔のこと」と切り捨てるのか、「それなら、今でも」と考えるのか。私は、後者でありたい。(もちろん目指すのは、現代社会にも合ったかたちで、となりますが。)

今は、家で細々と七輪を使ったり、キャンプで薪を使ったり、こうしてパソコンの前に座って情報を流したりといった程度のことしかできていませんが、祖母が元気なうちに、炭がもっと日の目を浴びる世の中をつくって、喜んでもらいたい。そう思っています。
私事ばかり書いてしまいましたが、どうぞ今年も、本キャンペーンをごひいきください。
それでは、メルマガ第6号をお楽しみください。

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[2.キャンペーン事務局からのお知らせ]

◆キャンペーンにご参加ください!
2008年1月現在、キャンペーン賛同団体は50団体を超えました!順調に団体数が増えています。日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーンでは、参加者・参加団体を募集しています。http://www.sumimaki.org/01/san.htm

◆「火のある暮らしのはじめ方」好評発売中!
薪炭キャンペーンで製作に取り組んできた、 書籍『火のある暮らしのはじめ方』が出版されました。この本では、薪炭による「火のある暮らし」をさまざまな形で実践されている方に、その魅力を語っていただきました。また、薪炭等のバイオマスに関する基礎知識、火の扱い方、火の持つ様々な効果や歴史など沢山のノウハウ・情報を紹介します。この本が、皆さんの「火のある暮らし」の第一歩となれば幸いです。

編集:日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会
発行:社団法人農山漁村文化協会
仕様:B5判、96頁(カラー64頁)
定価:1,500円(税込み)

◆「バイオマス情報ヘッドライン」を設置!
 薪炭キャンペーンのホームページのトップに、『バイオマス情報ヘッドライン』を設置しました。  http://www.sumimaki.org/top.shtm
 このシステムは、全国各地(海外も含め)の、薪炭等のバイオマスに関連する旬のニュース、面白いニュース、豆知識などを、自由に投稿してもらい、紹介しあうものです。どなたでも自由に投稿して頂けますので、奮って投稿ください。
投稿は右記のページから!  http://sinktank.kdn.jp/hl.cgi
 なお、投稿後、ホームページ上に掲載されるまでに、数時間〜数日と多少時間がかかりますが、ご了承ください。(広告等、関係の無い情報が投稿されることを避けるために、担当者が確認の上、掲載の作業を行うためです。)

◆「Viva!薪ストーブクッキング 」好評発売中!
本キャンペーンに賛同してくださっているファイヤーサイド株式会社の社長であり、薪ストーブ料理研究家でもあるポールキャスナーさんが、薪ストーブライフ30年に学んだ薪ストーブ料理の数々を一冊の本にまとめました。
簡単なものからプロ級のレシピまで約50アイテムを紹介しています。豊かな薪ストーブライフへのより良い誘いと、薪ストーブクッキングを楽しむための情報を満載した、日本初の薪ストーブ料理本です。
薪ストーブユーザーの方はもちろん、薪ストーブにご興味のある方ならばだれでも楽しめる充実した内容です。

著者:ポール キャスナー
発行:GOOD LIFE PRESS
仕様:B5判、96頁(オールカラー)
定価:1,890円(税込み)

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[3.今月のイベント情報]

◆炭焼きシンポジウム(NPO法人恵那山みどりの会)
「環境とエネルギーを暮らしの中で考える」
 森林資源を活用する新たな炭焼き文化の構築 マキ・炭、心ゆたかな火のある暮らしを求めて

日時:3/8(土) 13:00〜16:30
場所:JR中津川駅前 にぎわいプラザ1Fホール
参加費:300円

プログラム:
3/8(土)
13:00 アトラクション(田中鉦三・土着民)
14:00 シンポジウム
パネラー:熊崎実(岐阜県森林文化アカデミー学長)
     杉浦銀治(国際炭焼協会会長、炭焼きの会副会長)
     姫田忠義民族文化映像研究所長)
     斉藤和彦(あいち炭焼き会理事、三河炭焼き塾長)
16:30 終了
18:00 交流会(会場を移して)

3/9(日)
炭焼き作業体験(神坂窯)
・窯出し、炭材の積み込み、火入れ
・チェンソーによる木材の伐採
・マキ割り機によるマキ割り作業
(昼食は用意します)

申込・問合せ:
NPO法人恵那山みどりの会
〒508-0033
中津川市太田町3-7-14
TEL&FAX:0573-65-1366
E-mail:midorinokai@wine.ocn.ne.jp

◆本物志向の森づくり“プチ”講座(NPO法人里山倶楽部)

森づくりは初めて。でもチェーンソーも使ってみたい・・本気で山仕事ができるかっこいい男(女)になりたい!作業は“本物”だけど、初めてでも気軽に参加できる。日程は“プチ”だけど、本格的な山づくりが体験できる。森林作業や炭焼きのプロフェッショナルがあなたを手ほどきします。

日程:2008年1月〜2008年3月 全5回
場所:大阪府南河内郡河南町周辺の里山
交通:近鉄長野線「富田林」駅より車で20分
   (バス停への送迎あり、自家用車での参加OK)
対象:中学生以上
定員:毎月20名(先着順)
受講料:5回通し・・・・・10,000円
    (ただし里山倶楽部非会員の方は、別途入会金2,000円、
     年会費3,000円が 必要です。)
    1回参加・・・・・会員2,500円、非会員3,500円
※講習内容によって材料費などの別途実費が必要な場合があります。
申込・問合せ:
NPO法人里山倶楽部(〒580-0012 大阪府松原市立部1丁目6−3)
TEL&FAX 072−333−0309
E-mail ZXA07654@nifty.com(担当:寺川)
※詳細は、里山倶楽部のホームページに掲載されています。
 http://www11.plala.or.jp/satoyama-club/

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[4.キャンペーン賛同団体紹介]

File6. ふくしま薪ネット

「ふくしま薪ネット」は、福島県内の薪を愛する人が集う場として、2004年にWEBサイトを開設しました。活動内容としては、薪割りクラブの支援や薪関連情報の発信等です。

薪割りクラブとは、薪の欲しい人たちが集まって、森林整備を行い、でてきた材を薪にして分配するシステム。

きっかけは、というと。福島県の森林も御多分にもれず、間伐遅れの林分や荒れた里山が数多くあります。これらをどうにか活かしていけないものだろうか?と、悩んでいたところ、深澤光さんの著書「薪割り礼讃」で薪割りクラブというシステムを知りました。
これだ! 
早速、岩瀬村(現須賀川市)の渡辺氏の所有林を借りて、薪割りクラブを行いました。ここに来ると、薪ストーブや斧、チェーンソーなどについてもいろいろ情報交換ができるとあって、同好の士の集う場となりました。今では、参加者が自主的に運営し、公式行事以外にも森林整備を時々行っております。

これらを情報発信していると、あちこちから問い合わせがあり、全国につながりができました。また、県内の他地域でも薪割りクラブが立ち上がり、現在、3つの薪割りクラブが活動を行っております。ふくしま薪ネットでは、これらの支援を続け、情報を発信していくことで、森林の活性化の一助を担いたいと思います。

楽しみながら、薪の確保と森林整備を行う薪割りクラブ。皆さんの地域でもいかがでしょうか?

ふくしま薪ネット 主宰 渡部昌俊
●URL:http://fukushimamakinet.hp.infoseek.co.jp/

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[5.コラム「炭わが人生」]

File6.炭窯サウナのススメ

 このメルマガを読んでいる方はみなさんご存知かもしれないが、ここ数年韓国で炭窯サウナ(韓国名:炭窯汗蒸幕=炭窯チムジルバン)が流行っている。

 出炭した後の熱い白炭窯をサウナとして利用するものだ。多いところは一ヵ所で80基以上の炭窯があり、健康ブーム(韓国ではWell-being志向というらしい)の波に乗ってあちこちにできている。実は山の横腹に穴を掘ってそこで木を燃やして穴を熱くし、その中に入ってサウナを楽しむことは韓国では600年前から民間療法として行われていた。これは言ってみればピザ窯サウナみたいなものだが、90年代後半に炭やき銀爺こと杉浦銀治氏が炭窯の余熱利用ということで炭窯の中に入る健康法を会う人ごとに勧めていた時、韓国の炭研究者と
遭遇し、それが韓国人事業家に伝わって「炭窯汗蒸幕」となり、一気に全国に広がったとのことである。

 韓国旅行のブログなどでも紹介されているが、韓国人だけでなく日本人旅行者にも概ね評判がいいようだ。私が取材に伺った窯数20弱の癒し窯会社のマネージャーも「日本人観光客が大勢来てみんな喜んで帰っていくよ。なぜ日本では誰もやらないんだ?信じられない、絶対に儲かるのに」と頻りに勧めて来て返答に困ったものだ。

 この癒し窯は近年、韓国のテレビでも大きく取り上げられ、5分入っていると赤血球の大きな塊が小さくなっていわゆる血液サラサラになる映像が流れた。ただ、韓国のテレビにヤラセがあるかどうか私もよく知らないので責任は持てないが、韓国国立山林科学院の趙博士によれば、血行や新陳代謝の促進、筋肉痛・肩こりの緩和などの他、産後の婦人病、気管支炎、気管支喘息、肥満、初期高血圧などに効果があるという。また、日本でも愛知・三河炭やき塾に新設された癒し窯に通っていた人の中には癌が治った人もいるとのこと。

 あまり大げさに騒ぐのもどうかと思うが、確かに熱い炭窯の中に入ってじっとしていると、粘土壁から発せられる輻射熱が体全体を温め、健康になってくる気がする。炭窯の中はまるで母親の胎内のようだと言う人もいたが、炭窯は確かに木を炭に生まれ変わらせる場所であり、1000度以上の灼熱を経験したほぼ無生物の空間だ。木が炭に変わったように人間もその空間の中でちょっとは生まれ変わることができるのかもしれない。もしかしたら大晦日に炭窯サウナに入って除夜の鐘を聞くというのがこれから流行ったりして。そして生まれ変わった気分で窯から出れば、かなりエコな新年が迎えられそうである。

 韓国の事業者から聞いた話では、癒し窯の入場料は安く設定しても、お客さんが宿泊したり飲食したりおみやげに炭や木酢液を買ってくれたりしてお金を落としていってくれる。また、一般に広く知らしめることで販路が広がり、思いがけないところから発注が飛び込んでくるという。ちなみに癒し窯は白炭窯だけでなく、黒炭窯でもできる。韓国に何度も行って研究してきた伊豆の山本剛さんは窯出し後のほかほかの竹炭窯の中に温石を入れ、それに打ち水をして癒し窯を体験させてくれる。これでも十分生まれ変わった気になることができる。

 メルマガを読んでおられる関係者の皆さん、ちょっとやってみませんか?

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*編集後記*
 (少し遅くなりましたが)明けまして、おめでとうございます。薪炭利用キャンペーンは、今年も地道に活動を続けていこうと思います。
 ところで、皆さんの家のお正月料理はどのようなものですか?最近は、買って来てしまう家庭も多いかもしれませんが、かつては餅を焼くにも、米を炊くにも、豆を煮るにも薪炭が使われたのだなぁ、と思うと感慨深いものがあります。マンション住まいの我が家では、ガスで調理をすることがほとんどですが、おせち料理を含むお正月料理の伝統だけは継承していきたいと思います。

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発行:日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会事務局
〒198-0036
東京都青梅市河辺町5-10-1 セントラルビル2F
(株)森のエネルギー研究所内 薪炭キャンペーン

e-mail:info@sumimaki.org
tel:0428-28-0010
fax:0428-28-0037
http://www.sumimaki.org/

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