真庭で、銘建工業・中島社長のお話を聞く。
今週は月・火と、森林業界はもとより、最近「里山資本主義」に取り上げられて色んな方面からも注目を集めている岡山県真庭市で、学びの旅をさせて頂きました。
集成材生産、木質ペレット生産の国内トップシェアを誇り、真庭市のバイオマスタウン事業の中心的な存在である「銘建工業」の中島浩一郎社長直々にお話をお聞く機会もあり。
現場の経営者のお話を聞くのは、今後のマーケットの動き、ビジネスチャンス・リスクを知る上で、何よりも学びになりますね。
中島社長の2時間程のお話のうち3/4くらいは、CLTの話題でした。それも、相当に熱く。CLT(Cross-Laminated Timber、直交集成板)。オーストリアを中心にヨーロッパ、アメリカ、カナダで急速に普及している木質構造用材料です。
http://clta.jp/clt/
木の板を直交に組み合わせるだけの単純なものなのですが、耐火性・耐震性・断熱性・寸法安定性に優れるということで、ヨーロッパでは、CLTで作った10階のビルとかもどんどん建っているそうです。本では読んで知ってましたが、今回の中島社長のお話でCLTの可能性を実感することができました。
(ただ、ヨーロッパ諸国では15年ほど前は日本と同様、高層の木造建物に制限があったのを、このCLTを普及させるために、世界標準を取るために、高層も建てられるように基準変更しているそうです。日本も早くせねば・・・)
いやはや。東京に木造の高層ビルや、木造のマンションが沢山立ち並んでいる未来も、そう遠くないかも。そんなワクワクを胸に、そろそろコンクリートジャングル・東京に戻りました。
追記
CLTのJAS規格は、2014年1月から施行されました。JASの工場認定を経て、JAS製品が製造されることになります。今後の課題としては、CLTに対する建築基準法上の位置づけが与えられることだそうです。
建築基準法上の位置付けを得て、ようやくCLTを構造材として一般的に利用できるようになるそうです。
ただ、現状でも、国交省の大臣認定を得れば、特例的に建設することも可能です。既に、高知県などで建設が進んでいます。こうした先行事例が問題なければ、建築基準法上の位置付けがされるのでしょう。