森を歩く
森を歩く―森林セラピーへのいざない (角川SSC新書カラー版)
- 作者: 田中淳夫
- 出版社/メーカー: 角川SSコミュニケーションズ
- 発売日: 2009/03
- メディア: 新書
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近年、森林療法、森林セラピーなど、これまでは感覚的にしか捉えられていなかった森の持つ力(心身の健康への効果)を、科学的に解明しようという研究や、それらをテーマにした地域づくりやビジネスが盛んになってきている。この本は、そういった森林療法、森林セラピーを、沢山の写真を織り交ぜてとても分かりやすく紹介している。
前半は、森林の持つ癒し効果やメカニズムに関する研究の紹介やドイツのクナイプ療法等の紹介が中心で、あまり自分にとっては新味がなかったが、後半の全国10箇所の取り組み地域の取材ルポが興味深かった。
10地域のうち、二つは自分もワークショップで何度も足を運んだ長野県信濃町と上松町。懐かしい・・・また行きたい・・・
あとの8地域は行ったことがないけど、とても面白そう。ぜひ行ってみたい。以下、気になったところを備忘メモ。
北海道鶴居村・・・民間の林業会社の所有林で森林セラピーのプログラムを展開。オーナーがドイツを20年前に訪れて、クナイプ療法も日本でも広めたいと思い立ったとのこと。モミ、ミズナラの巨木が圧巻。
和歌山県高野町・・・真言宗の総本山。町全体が、癒しの空間。早朝の勤行、精進料理、写経、念珠づくりなどとセットにしたプログラムは人気あるだろう。高野六木の森も観てみたい。
高知県津野町・・・四国山地の尾根に広がる天狗高原。合併前の旧東津野村は、1991年から村民を毎年10人スイスに送るプロジェクトをしていたらしい!そしてスイスに学んだ滞在型の保養地づくりを展開。すごい。
宮崎県日之影町・・・林業で栄えた地域。かつて木材運搬用のトロッコ道として開設されたルートを歩くらしい。棚田や石垣の村も壮観。
沖縄県国頭村・・・亜熱帯でのプログラムは、生命力をガツンと与えてくれそうな感じでしょうか。「命薬(ぬちぐすい)の森」というネーミングも良いですね。