日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

対馬・志多留集落の古民家

金曜の朝から対馬出張に行き、日曜の深夜に東京に帰ってきた。株式会社さとゆめを立ち上げて、初めての対馬出張。

当初の予定では金曜の昼前に着いて、業務関係の打合せは金曜日中に済ませて、土曜は島おこし協働隊の木村さんが主催している古民家再生塾に参加して、日曜日は早々に東京に帰ってくる予定だったが・・・

梅雨前線の濃霧による視界不良のため、福岡・対馬間の飛行機が、金曜日の2便も3便も4便も欠航してしまい、結局博多港から船(高速ジェットフォイル船)で対馬入りすることに。そして、金曜日は全く仕事が出来なかったので、日曜日の帰りの飛行機を最終便に変更し、日曜日に打合せなどをこなした。

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対馬は全ての交通機関がキッチリ予定通りに動けば東京から日帰り出来てしまうわけだが、一度自然がご機嫌を悪くすると、人間が勝手に立てた緻密なスケジュールなんて木端微塵にされてしまう。と、今回実感・・・。

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ただ、一度スケジュールが乱れ始めると、最初は「出張」のつもりで行ったのが、「旅」になってくるのが面白い。そうそう、これこれ。「これこそが旅の醍醐味!」と、ワクワク感、ドキドキ感が高まってくる。そんな気持ちを思い出させてくれるご機嫌ななめの自然には感謝しないといけない。

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昨年は、環境と共生する暮らしや産業の在り方を市のビジョン(基本計画)にまとめる仕事に関わったが、今年はもう少しフォーカスを絞って、対馬市内のとある「古民家」「廃校になった小中学校」などの新しい利活用計画を住民の方と一緒に考えていく仕事に関わらせて頂くことになった。

「古民家」「廃校」というのは、地域住民が誇りや愛着を持っていて、かつ地域内外の人々の交流の拠点となるポテンシャルを持っているものの、全国の多くの地域でもどう利用していいのかわからず持て余しているのが実情。国境の離島・対馬で、他の地域のモデルになるような面白い動きを創るお手伝いができればと思う。

下の写真は、対馬の北西部の志多留(したる)地区の風景。感覚的には沖縄の竹富島と同じくらいの密度で、伝統的な民家が集落のここかしこに残っている。民家の周りには、大きな石が積まれた石垣。そして、民家の前の道を挟んで、高床式の倉庫が並んでいるのが特徴。素人目に見ても、これらは個人の住宅としての価値だけでなく、貴重な歴史的・文化的な価値を持ったものだとわかる。

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ただ、蔦が屋根を覆ったり、竹が床板を突き破ったり、朽ちて自然に戻りつつある民家も沢山見受けられる。もちろん、ただ放っておかれているわけではなく、島外からやってきた「島おこし協働隊」の皆さんを中心に、改修・補修、古民家の意義を考えるセミナーの開催などなど、保全と活用に向けた精力的な活動が続けられている。そんな活動にも参加させてもらってとても感銘を受けた週末でもありました。

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ぜひ多くの人に対馬を訪れ、こういった素晴らしい資源を見てもらったり、活動に参加してもらえればいいなあと思います。

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