日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

対馬にて審議会、万松院、金田城、海の幸など

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もう新年度に入って、早くも一週間が経とうとしていますが、昨年度の話を・・・

平成24年度最後の出張は対馬でした。

ここ2回くらい日帰り出張と言う罰当たりなことをしてしまっていたのですが、今回は泊まりでの訪問。まあ、1泊2日でも短すぎるくらいなのですが・・・

  • 審議会

さて、今回の対馬訪問の目的は、対馬市環境基本計画を検討する審議会です。そこで、僕らが策定をお手伝いしている計画案についてご説明し、ありがたいことに、とても良い反応を頂きました。

今回、僕らが提案したのは、従来の行政チックな計画とは一線を画して、市民に共感して頂けるように、できるだけ、わかりやすい文章で、地元の方言で、計画を書いてしまおうという試みです。

「森」「川」「里」「海」「まち」「ひと」の6つの分野で、地域の目指すべき姿を、2025年の未来に生きる架空の市民にインタビューするという設定で、計画を描いてみました。

例えば、「森」の分野は、こんな感じ。(方言は地元の方にリライト頂きました。)

そうやな~、対馬の 89%が森林におおわれとって、そこには、ツシマヤマネコやツシマサンショウウオみたいに世界で対馬でしか見れんような動植物が沢山あるし、「森は海の恋人」って言葉があるように、森の環境は、海の環境にも直結する。

まさに、対馬の森林の状態が対馬の環境全体を左右させると言ってもいいくらいやけ、未来の森林がどうなっているか、気になろうね~。

(中略)

自分がこの10 年間、特に力を入れてきたことは、山から木を出し木材や燃料としてどんどんと売っていくこと。木材を活用しないことには、森林の整備は進まんもんね。

最近の売り先は、日本だけじゃないよ。僕らもよく韓国のプサンに行って、対馬の木で家を作ってくれるよう営業しよっちゃけど、それが実って韓国や中国にいっぱい輸出しよるもんね。木材を通して、対馬のことを沢山の人が知ってくれるようになってうれしいね。

対馬市環境審議会:対馬市オフィシャルホームページ-市の政策

文章はだいたい出来上がってきたので、これからレイアウトやイラストを仕上げていきます。イラストは、対馬在住のデザイナーさんに、描いて頂いていて、とても良い感じです。

地域を変えるには、まずは行政の発信方法、市民との関わり方が変わっていく必要があると思っています。その一つの試金石になればいいなと思っています。

  • 万松院

審議会が思ったより早く終わったので、役場の方が、万松院に連れて行ってくださいました。

元和元年(1615年)第20代対馬藩主宗義成が厳父 ・ 義智の菩提を弔うために創建し、厳父の法号に因んで「万松院」とした。墓地は、桃山建築様式を残す山門のわきから、百雁木(ひゃくがんぎ)とよばれる123段の自然石の大石段を登りつめると歴代の藩主と一族の墓が並んでいる。そこには、4~5mにも及ぶ巨大な墓石もあり壮観である。 

対馬藩は十万石の格式であったが、壮大な墓地は数十万石の大藩なみといわれ、また、金沢市の前田藩墓地、萩市の毛利藩墓地とともに日本三大墓地の一つとも言われている。また、本堂には徳川歴代将軍の金箔の大位牌や朝鮮通信使の資料等、藩政300年の貴重な資料が数多く保存されている。

「日本三大墓地」と聞いて、「ほんとに??」と疑ってしまいましたが、すいません、ほんとに凄かったです・・・。山全体がお墓のような規模です。この規模からも、当時の朝鮮通商の重要さ、そして繁栄の様子が伺えます。

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  • 海の幸

夜は、厳原の料理屋さんで海の幸を頂きました。美味かった~。最高です。

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ちなみに、この写真は、敷き紙。お店の人が手書きしておられるようで、一枚一枚違う言葉が書いてありました。僕の敷き紙の言葉は、「島です 愛です こころです」。
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この言葉気に入ったから、新年度の僕のキャッチコピーは「嶋田です 愛です こころです」にしようかな(笑)

  • 西山寺の桜

翌朝、宿坊の西山寺で起き、外に出てみると、桜が満開。
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  • 金田城

午前中にデザイナーさんとの打合せをした後、飛行機の出発の時間まで少し間があったので、金田城(「かなたのき」と呼びます)のある城山に登ってみました。

金田城(かねだじょう、かねたのき)は、飛鳥時代対馬国に築かれた古代山城(朝鮮式山城)。所在地は長崎県対馬市美津島町黒瀬城山。国の特別史跡

対馬の中部にある浅茅湾の南岸に突き出た標高275メートルの城山(じょうやま)に位置する。山頂部に石塁、山の周囲を取り巻くように石垣が築かれている。南東麓は比較的緩やかな斜面で、海に通じる三本の谷(北から順に「一の城戸」「二の城戸」「三の城戸」)には城壁が残っており、さらに水門と城門が設けられていたと考えられている。また、「二の城戸」と「三の城戸」の中間に位置する「ビングシ山」周辺から複数の建物跡が検出されており、防人宿舎など中枢機能があったと考えられている。

頂上に至る道。この道は、日露戦争のときに陸軍が造営したもののようです。無数の年代の歴史が積み重なった山であることを実感。
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頂上に残る砲台跡。
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そして、浅茅湾。絶景。1300年前に防人が見たであろう光景が今もそのまま残っています。
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山のあちこちに残る城壁。これも1300年前に築かれたもの。崩壊しているところも多いですが、1300年経ってもこれだけ原型を留めているだけでもすごい。
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  • 年度末の空港

そして、空港へ。

年度末は、別れの季節ですね。
対馬空港では、6年間の対馬での任期を終え次の赴任先へと出発するという、若い女性の先生を見送りに沢山の生徒が集まって、応援のエールを送っていました。たまたま居合わせたこっちまで、涙が出そうになりました・・・。
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と、まあ、年度最後の出張は、非常に濃い2日間でした。あまりの濃さに5日間くらい行っていたような感覚。

山や海や人から新年度に向けたパワーを沢山頂いたような気がします。がんばります!!