日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

五山の送り火の薪(割木)について

http://www.sinktank.org/11reading/02kyo-no-shintanbunka/04_daimonji-okuribi/img/l/03081607.jpg

  • 陸前高田の松、一転受け入れ=送り火連合会、批判受け−京都

東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の松を、京都の伝統行事「五山送り火」の一つ「大文字」で燃やす薪として使う計画が中止になった問題で、五山送り火の各保存会でつくる「京都五山送り火連合会」(京都市左京区)は10日までに、陸前高田市から別の薪を受け入れ、16日の送り火で燃やすことを決めた。
 福島原発事故による薪の放射能汚染を懸念する声が寄せられたため、「大文字保存会」(同)が使用中止を決定。しかし、これに「被災地の思いをなぜ酌めないのか」など、京都市に対してだけでも900件以上の批判や苦情が相次ぎ、同市が連合会に受け入れを要請。連合会が協議し、他の四つの送り火保存会が受け入れを了承した。
 当初、大文字に使用される予定だった震災犠牲者や復興に向けた思いを被災者らが書き込んだ薪は、8日に陸前高田市で盆の迎え火として燃やされたため、京都市は、新たな薪500本をボランティア団体を通じて取り寄せる。(2011/08/10-11:17 時事通信)

今話題の京都「五山の送り火」。その薪(京都では割木と言います)がどのように調達されてきたのか、学生時代に調べたことがあります。

参考:Nothing found for 11reading 02kyo-no-shintanbunka 04_daimonji-okuribi Index

例えば大文字の送り火は、500年以上前から、大文字山に生育する赤松を燃やしてきました。松枯れが激しくなってからはわざわざ苗木を植え、育ててまで、自山でまかなおうと努力してこられています。

そんな経緯もあり、放射能が云々だけでなく、送り火運営サイド(500年以上も送り火を継承してきた集落の方々)には色んな思惑があるんだろうなあと推察します。難しいですね・・・

詳しく知りたい方は、以下のレポートをぜひご一読ください。
『京都・火の祭時記−伝統行事からみた森林資源と人のつながり−』
http://www.sinktank.org/11reading/02kyo-no-shintanbunka/03_kyoto-hinosaijiki/kyoto-hinosaijiki.pdf

『京都・火の祭事記〜伝統行事からみた森林資源と人のつながり〜』
         (薪く炭くKYOTO 編)

はじめに                         1

第1部 大文字送り火    
1.大文字送り火の今昔                  4
2.大文字送り火の現場から                6
2−1.大文字送り火を体験して  
2−2.大文字送り火へかける思い
3.森林資源からみる大文字送り火の持続性        15
3−1.大文字送り火のLCA評価
3−2.東山の森林植生の歴史
3−3.持続的な森林資源供給のためのアカマツ林管理
4.人的資源からみる大文字送り火の持続性        26
4−1.年間の作業の流れと人のかかわり
4−2.点火当日の火床担当人員
4−3.送り火の継承・循環型社会
5.総合討論「コモンズとしての大文字送り火」      31
5−1.コモンズとしての大文字循環モデル
5−2.コモンズとしてのアカマツ
5―3.開かれたコモンズへ
5−4.大文字循環モデルの完成へ

第2部 京都の火の祭事・行事
1.京の火の祭事体験記                 38
1−1.大文字送り火
1−2.妙法送り火
1−3.芦生松上げ
1−4.久多宮の町松上げ
1−5.雲ヶ畑松上げ
1−6.二ノ瀬火焚祭
1−7.鞍馬火祭
2.京の火の祭事暦                    53

おわりにかえて 〜人と火のかかわり〜           64