「アグリ・コミュニティビジネス」(大和田順子著)など
今年の仕事の立ち上げのバタバタも過ぎ、最近本を読む時間も持てるようになってきた。
最近読んだ本を、簡単にメモ。
まず、親しくさせて頂いている方の新著。
- アグリ・コミュニティビジネス(大和田順子著)
- 作者: 大和田順子
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2011/02/10
- メディア: 単行本
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著者の大和田さんは、2年くらい前から、山村再生総合対策事業のテキストづくりや研修を一緒にやったり、浜松のシンポジウムを手伝ってもらったりとお世話になっている方。
本書では10ほどの地域事例が紹介されている。これらの事例の多くは既に様々な場面で紹介されているものだけど、本書では、東急百貨店やTHE BODY SHOPなど都市の消費者向けマーケティングに長く携わってきた大和田さんならではの視点で、「なぜこれらの商品やサービスが都市住民の人気を集めるのか」「こうすればより都市のニーズにマッチするのではないか」等々という考察がなされており、とても説得力があると同時に、農山村での商品開発・事業立案に携わるものに勇気を与える内容になっている。
僕としては、以下のくだりが納得ポイントだった。
「すべての地域が東京に売り込もうというのでは分散経済は成り立ちません。ローカル×ローカルで成り立つことを目指しています。それがサステナブルだと思うのです」と佐藤さん。
産地近郊の都市居住者を対象とした分散・循環経済を作ることで持続可能な地域経済・社会を創り出すことができるというのだ。
(「森林ノ牧場 那須」(栃木県那須町)
(ハーブの製造販売に取り組む「生活の木」の)4つのこだわりとは、一つ目は、まず文化を創ることから発想する。自然の恵みを活用する文化、化粧品を作る文か、香りのある文化など。次いで場を作る。学びの場としての教室や、サービスを行うリゾートホテル。ハーブを育て楽しむハーブガーデンやレストランなど。そして、最後に商品が来て、それを家庭に持ち帰って暮らしの中で使いこなすという順番だ。
(「生活の木」(東京都渋谷区)
コウノトリ育む農法は、単に農薬や化学肥料を使わない農法というだけではありません。コウノトリのエサとなる多様な生きものを育み、地域に生物多様性を取り戻すのです。そこで作られたお米を食べた人の健康も育む、そしてお米や加工品の販売を通じて地域経済も元気になるのです」と西村さん。
(コウノトリの野生復帰(兵庫県豊岡市)
あと、以下の二冊も面白かったです。
- まちづくりオーラル・ヒストリー (早稲田大学後藤春彦研究室編)
まちづくりオーラル・ヒストリー―「役に立つ過去」を活かし、「懐かしい未来」を描く (文化とまちづくり叢書)
- 作者: 後藤春彦,田口太郎,佐久間康富,早稲田大学後藤春彦研究室
- 出版社/メーカー: 水曜社
- 発売日: 2005/04/25
- メディア: 単行本
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早稲田大学建築学科の後藤春彦教授とその門下生が取り組んできた地域づくり手法「まちづくりオーラル・ヒストリー」を紹介する本。
「民俗学」や「聞き書き」「ライフヒストリー」等の既存の手法とどう違うのかがいまいちよく理解できなかったが、そういった昔から使われてきた手法を下地に、ICレコーダーやデジカメ等の新たなツールを使った情報収集、GISを使った情報整理などにより、情報の利便性・共有性を格段に高めるというものだろうと自分なりに理解した。
それにしても、自分が普段から考えていた問題意識や、その問題意識に基づく方法論とかなり近いものを感じた。こういうふうに、何気なくやっていることを「手法」として体系化することは大切ですね。
- 希望のつくり方(玄田有史著)
- 作者: 玄田有史
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/10/21
- メディア: 新書
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このブログでも何度か紹介してきた玄田先生の新書。
これまで色んな本や記事で玄田先生が発表されてきた「希望」に関する論考を、小中学生向けに分かりやすく紹介するもの。
とても読みやすいものでオススメです。こういった話がどんどん、小中学校の教科書に取り上げられれればいいなと強く思う。
以下もご参考ください↓。
「希望」とは - 日本再発見ノート Rediscover Japan.
希望とアニマルスピリット - 日本再発見ノート Rediscover Japan.