日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

共有の森ファンド説明会


昨日は夕方に仙台から東京にとんぼ返りして、ミュージック・セキュリティーズ株式会社とトビムシ株式会社が展開している「共有の森ファンド」の投資者説明会に参加。

森と割り箸とファンド | tobimushi + baiten @ 3331 Arts Chiyoda

別件で東京出張することになっていた京都・森とすまい百年の会の白石さんに「一緒に参加せえへんか」と誘ってもらったということもあるが、以前からこの「共有の森ファンド」が気になりつつも、いまいちしっくり理解できていなかったので、まずは当事者の生の声を聞いてみようということで、申し込んだ次第。

西粟倉・森の学校の牧さんや、ミュージック・セキュリティーズの方の話を聞いたり、パンフを読んでようやく腑に落ちてきた。以下が僕が、お!そういうことか!と膝をたたいたところ。

  • ミュージック・セキュリティーズのファンドは、社名の通り、ミュージシャンのためのファンドから始まった。ミュージシャン、アーティストもプロダクションやレーベルに所属しており、なかなか自分がやりたい音楽ができない現状があった。なので、「もっと自由に音楽を!」のコンセプトの元、彼らの純粋な思いに賛同する出資によるファンドを立ち上げた。
  • その後、シェフだって杜氏だって、ジーンズ職人だって同じようにアーティストで同じような課題を抱えていることがわかり、日本酒ファンドやジーンズファンドなどを立ち上げた。共通しているのは出資者が自分の応援したい事業を選ぶこと。どういう事業が自分の未来に大切なのか。社会参加の意識が含まれている。
  • 地域も、国の補助金や過疎債をもらうより、出資者がいる・応援してくれているというほうが、気持ち的にも前向きになれる。
  • 地域の経済圏だけでは解決しなかったことを、広域の経済と繋げる仕組みを構築することで解決に導く
  • ファンドメンバーは、第二の村民。「寄付」だと、どうしても寄付した時点で「貢献した!」と満足してしまい関係性が続かない。「投資」だと、監視・応援という意味で関係が続く。投資は「都市と農山村の関係づくり」。
  • 元本保証はないが、出資者の皆さんにしっかりお金を返そうと、現場で頑張っている。

これは、いいなあ。志ときちんとした事業計画のある事業者・住民がいて、だけどどうしてもお金が足りない、そんなときにはこういう手段もある。自分が関わっている地域でも考えてみたいと思った。

ワリバシ・カンパニーの池田さんの話も、モア・ツリーズの水谷さんの話も面白かった。二人とも、牧さん達のようにどっぷり地域に浸かりたいという思いは持ちつつ、どう都市住民が農山村と関わっていけるのか、どう貢献できるのかを考え、それを事業として成立させようと頑張っておられる。

カーボンオフセットにしても、広告にしても、二次情報だけみていると薄っぺらく、マネーゲームのように見えてしまうこともあるが、こうしてその背後にある熱い思いや、周到な戦略を聞くと、どん!と心に入ってくる。

説明会後は、久々に会った牧さんに色々とアドバイスももらった。廃校利用のこと、行政や親会社との関係のこと、デザイナーや職人さんの巻き込み方などなど。

今回の説明会がとても「勉強」になったことは間違いないが、これらのエッセンスをどう現実の地域で活かしていくのかは、自分次第。頑張ります。