日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

二つの原点

週末、学生時代に深く関わっていた「山仕事サークル杉良太郎」の後輩M氏と田町で飲み、今日は、ITTO(国際熱帯木材機関)の事務局次長の方と話す機会があり、ふと自分の二つの原点を思い出した。

二つの原点。

一つ目の原点は、小学校のときにみた、バンコク郊外に広がる赤茶けた大地。

かつては、熱帯雨林が生い茂っていたところ。そこに、ひょろひょろとしたアカシアやユーカリが、申し訳程度に生えている。
状況を理解出来なかったが、「違和感」だけが強く残った。
そして、高校生で日本に帰ってきて、知った事実。

日本の木材会社、製紙会社がタイの熱帯雨林を伐採しまくっていたこと。そして、「植林」の名のもとに、土地に合わないアカシアやユーカリを植えていたこと(しかも、失敗に終わっていること。これが、自分が感じた「違和感」の理由?)。
さらに、タイが、木材輸出国から純輸入国に転落していたこと。

日本人であることの意味、責任を、若造なりに考えるようになった。

二つ目の原点は、京都の鴨川の源流・雲ヶ畑で過ごした日々。

山のおばちゃん、おっちゃんの逞しさ、やさしさ、きびしさ。サークルの仲間とのありえないくらい濃い時間。
北山杉の凛々しさ。集落にかかるもやの安心感。

一方で、下がり続ける木材価格と放置される人工林。せせらぎの脇に次々と立ち並ぶ産業廃棄物置き場。

それをただ眺めるしかできなかった無力感。

***

今の自分は、すべてここからスタートしている。

こういった原点を自覚できていることは、ありがたいことだと、我ながら思う。

だけど、果たしてどれだけ前に進めているか。

もっと意識しなければ。