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日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

仏像盗難にかかる韓国大田地裁の仮処分に対する公式見解(長崎県対馬市教育委員会)

対馬市の仏像や経典が韓国の窃盗団の盗難に遭った件。

韓国の大田地裁が返還を当分差し止める内容の仮処分決定を出したことに対して、対馬市の教育委員会が公式見解を市ウェブサイトに公表していますね。

こういう見解を地元自治体が発表するのは通例なのかどうか分かりませんが、地元住民の心情を代表しつつ、歴史的な史実を交えながら、毅然とした態度を国際的に表明する非常に素晴らしい名文だと思いますので、転載させて頂きます。

対馬は、以下の記事にあるように、韓国人観光客が29万人も訪れる、両国が最も友好的、緊密な関係が行われている地域の一つです。今回のことができるだけ早く解決して、お互いの観光客、住民が一抹の不信感もなく、つきあっていけるような日が戻ってくることを祈っております。

                         平成25年2月28日
                         長崎県対馬市教育委員会

      仏像盗難にかかる韓国大田地裁の仮処分に対する公式見解


対馬市豊玉町小綱・観音寺の『観世音菩薩坐像』は、窃盗によって不当に流出した貴重な文化財で、長崎県指定の有形文化財にもなっています。

また何世代にもわたり、寺の『ご本尊様』として大切に保管され、祭られてきた地域の宝であり、信仰の拠り 所でもあります。


卑劣な犯罪行為によって奪われたことで、所有者をはよどころじめ地域、対馬市民が深い悲しみに覆われています。

峰町木坂・海神神社の『銅造如来立像』、厳原町豆酘・多久頭魂神社の『大蔵経』についても同様ですが、一刻も早く対馬、所有者のもとに戻ってくることを切に望みます。


中世、室町時代に朝鮮王朝は西日本の豪族と交易をおこなっており、対馬でも朝鮮から大蔵経などの仏教文物がたびたび請来されていました。

李王朝が成立した14世紀以降の朝鮮半島における苛烈な仏教排斥という背景も加味すると、廃棄されかれつはいせきた後に取得したか、観音寺の『観世音菩薩坐像』もこうした仏教の普及に関わる交流や、仏教工芸品の隆盛による交易などによってもたらされたものではないかと考えられます。


今回、犯罪によって奪われた『観世音菩薩坐像』をはじめとする文化財が国際法に基づき、適切にまた早急に戻るよう強く願います。


仏像盗難にかかる韓国大田地裁の仮処分に対する公式見解(長崎県対馬市教育委員会)