日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

「岳」「釣りキチ三平・平成版」

毎年南アルプスを一緒に縦走している友人からマンガがどっさり届けてくれた。
「岳」「釣りキチ三平・平成版」「マタギ列伝」など40冊ほど・・・。今年、仕事や家庭の事情で登山に行けなかった僕を気遣ってか、ありがたいことに貸してくれたのだ。(余計山登りたくなってしまったけど)

「岳」と「釣りキチ三平・平成版」を読了。

  • 「岳」

岳 (1) (ビッグコミックス)

岳 (1) (ビッグコミックス)

面白かったけど、ハラハラドキドキで、読むの疲れた(笑) 
僕が一番印象に残った登場人物の牧英紀(ヘリコプター・レスキュー会社社長)には、実在のモデルがいて、篠原秋彦さんという方らしい。
県警などのヘリコプターが行けないところの救助を請け負う民間山岳レスキュー会社を設立したパイオニアで、救助した遭難者は2千人以上。遭難者を責めることはなく、「よく頑張った」が口ぐせだったとか(「岳」の主人公・島崎三歩の口ぐせにもなっていますね)。

どんな世界にもすごい人物がいるものです。ただ、残念ながら、2002年に山岳救助中に亡くなってしまったとか・・・在りし日の姿の映像がYoutubeにありましたが、漫画に描かれている以上に壮絶な救助現場の実際の様子が伝わってきます。

それにしても、島崎三歩はエベレストでやはり命を落としてしまったんだろうか。生きていて欲しいなあ。

釣りキチ三平 平成版(1)地底湖のキノシリマス (KCDX (1533))

釣りキチ三平 平成版(1)地底湖のキノシリマス (KCDX (1533))

釣りキチ三平、20年くらい前に、昭和版を読んだ記憶があるもののほとんど忘れていたけど、面白いね〜、これ。

絵の構図がすごくダイナミックで、大物を釣り上げたときのうれしさ、躍動感が二次元の紙から、びんびんに伝わってくる。鮎のにおいや、ぴちぴちと跳ねる音が伝わってきそうなくらい。

あと、徹底した取材によって、かなり現実とリンクした話が多いのが面白かった。例えば、田沢湖で絶滅して地球上からいなくなったと思われていたクニマス(別名キノシリマス)が、三平の祖父・一平がとある山中の湖に移殖し、そこで繁殖していたものを三平が釣り上げて生息が確認されるというストーリーがある。
これは、あくまで漫画の中のフィクションだったが、2010年に西湖で生息が確認されるというニュースがあって、実際に漫画と同じような経緯で移殖され繁殖していたというびっくり仰天の「予言」になっている。

クニマス - Wikipedia
田沢湖で絶滅した固有種クニマス(サケ科)の山梨県西湖での発見 — 京都大学
絶滅種「クニマス」の発見と「釣りキチ三平」の偉業 - ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE II - Yahoo!ブログ

作者自身、秋田の田舎で生まれ育って、相当な「釣りキチ」だったそうなので、その経験に裏打ちされた洞察が冴え渡っています。漫画の中の三平も喜んでいることでしょう。素晴らしいです。

最近漫画をあまり読んでなかったけど、結構はまっています。

これから「マタギ列伝」を読みます。