日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

やんばるの森の体験ツアー


昨年12月にとある業務の関係で、沖縄県国頭村を訪れる機会がありました。

国頭村は、沖縄本島の北部に位置する村で、約2万6千ヘクタールに広がる「やんばるの森」には、1,000種以上の植物や5,000種以上の動物が生息している、日本のなかでも生物多様性の最も豊かな地域の一つです。絶滅危惧種ノグチゲラヤンバルクイナヤンバルテナガコガネなど、数多くの在来種や固有種も生息しています。

一方で、やんばるの森は、村内の70人以上もの林業従事者がチップ生産や森林の保育作業で生計を立てている、経済活動の場でもあります。

そんなやんばるの森で経済活動を環境保全をどう両立させるのか、住民が話し合いを重ねて「国頭村森林地域ゾーニング計画」という独自の計画を作り上げていたり、国頭ツーリズム協会というNPOがキャリングキャパシティ(人間活動に耐えられる環境の容量)に配慮したエコツアーを展開していたりと、沢山の学びがありました。

ちなみに、このゾーニングの区分は、とてもシンプルかつ的確で敬服しました。「残すところ」、「守るところ」、「再生するところ」、「利活用を図るところ」の4区分。(林野庁の関係で市町村森林整備計画のゾーニングに関わったりしていますが、これは参考になりました)

○「国頭村森林地域ゾーニング計画」におけるゾーニング区分
「残すところ」……極力手をつけずに現状を維持する地域とし、自然公園法、鳥獣保護法で定められた特別保護区等とします。ただ、これらの地域についても、学術的な研究活動については、統合的な情報管理のもとで行えるようにします。

「守るところ」……地域の生活・文化の歴史を示す多様な遺物・遺跡等を保全し、ノグチゲラヤンバルテナガコガネ等の希少種の生息地は、積極的な保護活動の対象とし、希少種情報の管理、生物多様性の保全等の活動を行います。

「再生するところ」…海から山への全体を視野に置き、近代化の過程で劣化した海岸・砂浜、湧水(泉)、小河川を含む河川、森林とします。そのために、「流域単位の再生」の視点からゾーニングを行います。森林の再生は、生物多様性と豊かな森林像の両面から検討して行います。

「利活用を図るところ」…地域の生活・文化を維持、発展させる人々の利用に資する地域とします。木材資源の循環利用、環境教育、ツーリズム、地域資源に関する研究等の活動を行います。

また、地域のリーダーの方からは、印象的なことばを聞かせていただきました。

「自分たちの価値に気づき、外に発信していけることが大切。やんばるの森は、北緯27度に位置するが、他国の同緯度地帯はほとんどが砂漠などな不毛な地域。この緯度にこの豊かな森があるということは、世界にとって非常に大きな価値を持つということ。」

「木材を生産することだけではなく、希少種を盗掘から守るパトロールだって立派な仕事だと考えている。オーストラリアのレンジャーのような形の担い手がいないといけない。」

生物多様性は我々に与えられたプレゼントのようなもの。これを今は活かしきれていない。」

生物多様性は、ヒトをどう置くかがとても大切。その地域に人が住み続けないと、自然を守ることも、コントロールすることもできない。ヨソの自然保護団体に守れるわけがない。自然保護団体には、いきものしか見えていない。生活圏が見えていない。」

「地元の人が地元のいいものを守るということも大切な仕事。これをなりわいにしていかないといけない。」

などなど。

(さて、とても前置きが長くなってしまいましたが・・・笑)

そんな国頭村、やんばるの森を舞台に、そこで繰り広げられている自然環境保全活動や自然と共生する暮らしを体験・見学するツアーが開催されます!! (これまた別の業務で(会社として)企画をお手伝いさせて頂きました。)

HISさんの主催です。是非是非、ご参加ください!!

貴重な自然環境を守るスタディツアー「沖縄やんばる自然環境保全活動4日間」

沖縄県北部のやんばるの森には、ヤンバルクイナを代表として固有の野生動物や植物が生息し、生物多様性が保たれた貴重な自然環境を保持しています。やんばる地域で地元の人々が主体となって取り組む環境保全活動の現場を視察し、実際に行っている環境保全活動を地元住民と一緒に体験します。 また座学も一緒に行いますので体系的に環境保全について学ぶことができます。

<こんな人にオススメです!充実のフィールドワーク&スタディプログラム>
●野生生物保護活動や取組みに関する卒論やレポートを書きたい方
●レンジャーや環境保全活動の職業に関心があり、スキルを身につけたい方
●自然環境を活かした地域振興に関心のある方
●自然観察・自然解説に関心のある方

詳しくは、コチラ↓
http://his-j.com/tyo/eco/japan/eco-oka_vol.htm
http://www.eco-tour.jp/view.php?id=J1201050003