日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

「ろーかるでざいんのおと 田舎意匠帳」

ろーかるでざいんのおと 田舎意匠帳―あのひとが面白い あのまちが面白い

ろーかるでざいんのおと 田舎意匠帳―あのひとが面白い あのまちが面白い


とある仕事で、委員会の委員になって頂いている江戸川大学社会学部教授・鈴木輝隆さんの著書。

筑紫哲也氏が、冒頭の推薦文で、「「おもしろい」ことをやっている、「おもしろい人」がいる所は、小さな町、村、そして困難や課題を抱えている所が多い。だが、深まる危機はチャンスでもあり、挑戦の機会でもある。それにどう立ち向かうかを考える時、本書の中にたくさんの実例とヒントがある。本書は地域生き残り(サバイバル)のための“参考書”でもあり“応援歌”でもある。」と紹介している。

まさに、44の村々・町々の200人を超える「おもしろい人」が繰り広げる「おもしろい」ことが、ぎっしりと詰まっていた。
(決して「おもしろい」と言えるような状況ではないのに、それを逆手にとっておもしろくしてしまうような軽快さと強引さ!)

500ページくらいの大著なのだけど、今週通勤や出張の車中であっという間に読んでしまった。

ちょっとまだ、消化しきれていないので、ハッとしたフレーズをまずは、メモしておこう。少しずつ、自分の中で血肉にしていこう。

「元金(自然、信頼など)に手を出すな、利子で食っていけ」
「自分の価値観は自分で決めること。感動すること。感動させること。創ること。遊ぶこと。そして狂うこと」

「地域づくりはいつまでも条件整備や環境整備ばかりで切りがないからだめ。できるかできないか分からないけれども、夢みたいなこともすることが大切だ」

  • 辻一幸町長(山梨県早川町)

「過疎化は困るという“憂い”から始まる発想はとうにやめた。故郷で、住民が地域に誇りを持って楽しく、たくましく生きていくためには、どのように行政や地域づくりを推し進めるべきか、知恵を出し、模索し実践するだけです」

  • 内木哲朗さん(岐阜県加子母村)

「合併した以上、地域間競争ができる仕組みをつくることが新市の役割です。旧町村の時代も、他の町村とは『ここが違う。ここがすばらしい』と村民一丸となって取り組んできました。住民にとってのアイデンティティは、そんな単純な意識から生まれます」

「過疎地域からの人の移動は比較的困難なので、来ていただくことが重要だ」

  • 梅原真さん(高知県大方町)

「考え方がメディア。風景がメディア。自分が決めた豊かさの価値観をもち、自分が何者であるか、はっきりということがメディア。考え方から生まれた商品は考え方を伝える媒体となる。商品は地域の生き方・風土が乗っかっているメディア」
「いいデザインとはちょっと幸せになれるもの」

  • 北幸さん(熊本県球磨郡)

「寝ていて転がってくるためしはない」
「恨みは水に流せ、恩は石に刻め」

  • 内山慶治さん(熊本県山江村)

「メディアを活かせば、住民のクリエイティブな精神と現場の創意工夫から、新しい経済が生まれる。制作した映像への評価が村のライフスタイルを刺激し、村に生きることへの感動と自信、責任感となる」
「テレビ番組を制作するプロセスには、地域づくりに役に立つ企画力や取材力、構成力、広報力がある」

  • 田島健夫さん(鹿児島県牧園町)

「日本旅館には豊かさ、リゾートには幸せが求められる。ホテルのサービスは世界中どこでも均質を求められるが、旅館は違う。日本旅館はその土地の生活文化の上に成り立つもの。日本旅館が衰退し続けるのは、次の時代を創造してこなかったから」