日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

コンセプトを「発明」する




今日は、山村再生総合対策事業のテキストづくりの関係で、綾部市の「里山ねっと・あやべ」を訪問。来週会う塩見直紀さんの活動フィールド。
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塩見直紀ホームページ

京都に住んでいた頃から里山ねっとの活動は関心を持っていたので、念願叶った訪問。

スタッフの方に施設を案内して頂き、団体の活動に関してお話しを伺った。

田舎暮らし、農山村交流の分野ではとても有名な団体だが、改めてその実績に感嘆した。
「石窯パン焼き体験」「里山そば塾」「米作り塾」「里山交流大学」などによる交流人口(イベント参加者数)は約2400人(平成20年度)。廃校を利用した宿泊施設への宿泊者数は約1800人(平成20年度)。その他、市内の空き家も、Iターン希望者等に数十戸紹介している。

しかも、すごいのは、交流人口にしても、宿泊者数にしても活動を開始した頃は500人程度だったのを、年々着実に上積みして今に至っているということ。継続は力なり。

スタッフの朝倉さんに、これだけの人を集める魅力は何かと聞いたところ、綾部の田園風景など地域の魅力ももちろんあるけど、「『半農半X』というコンセプトを発明したことではないですかねえ。」とおっしゃっていた。半農半Xの本を読んで、里山ねっとのイベントに参加される方が非常に多いのだそうだ。

『半農半X』。塩見さんが1995年頃に生みだしたコンセプト。

それから約15年もの間、このたった4文字の言葉を磨きに磨いて来られた。確かに面白い言葉ではあるけど、扱い方によってはすぐに忘れ去られたり、使い古されたりしていたかもしれない。それをある種の執念をもってこだわってこられたからこそ、果実を生みだす源泉になったのだろう。

半農半Xというコンセプトに関するレジュメを公開しておられるが、圧倒された。
塩見直紀レジュメ公開

スタッフの方が「コンセプトを発明したこと」とおっしゃったときに一瞬違和感を感じたが、このレジュメを拝見すると、まさに精密機械を作られるように、コンセプトを取り巻く世界観や価値観を作り上げている。確かに一種の発明だと思った。

そう考えたとき、自分はまだ、自分の人生を懸けられるほどの「コンセプト」を発見・発明できていないなと思った。

ただ、塩見さんがこの言葉に出会われたのが30代の頃だとおっしゃっていたので、今からでも遅くない。もっと意識して言葉に向き合わねば。