「神去なあなあ日常」
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2009/05/15
- メディア: 単行本
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先月三重に行った時に、森林組合の方が紹介してくれた本。
人気作家・三浦しをんさんが、三重の山奥に取材に足を運ばれて書いたのだという。
日本初(?)の林業青春小説だそうだ。
と、いうのを聞いて「何回か取材に来ただけで、林業や山村を描けるのだろうか・・・」と思いつつ、なんとなく買ってみたのだが。
これが面白かった!!一日で読んでしまった。
作者の才能に完敗、感動です。ここまで、山の空気を、本の中に再現できるものなんですね。
草のにおい、山のおっちゃんの笑い声、木が倒れるときの音・振動、真夏の太陽の暑さ、下刈の汗、作業の後のすがすがしさ、そんな感覚達が、ぶわっと自分を包み込んだ。
三重県の架空の村・神去村が舞台で、登場人物は皆関西弁を話すので、読んでいて、自分が雲ヶ畑で山仕事をしていた頃に戻ったような気分になってしまった。ああ、懐かしい。
設定がこれでもかというくらい現実的なのに(例えば、主人公の勇気が林野庁の「緑の雇用事業」研修生だったり・・・)、なぜかファンタジー小説のよう。ふと、100年かけて木を育てるという行為自体が、リアルとファンタジー(という本来相反するもの)が入り混じったものなのかもしれないな〜と思ったり。
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