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日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

仕事するのにオフィスはいらない

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)

副題に「ノマドワーキングのすすめ」とある。

ノマドとは、通常北アフリカの砂漠や中央アジアの草原で、羊や牛を追って生活している遊牧民を意味するが、本書では、「オフィスのない会社」「働く場所を自由に選択する会社員」といったワークスタイルを実践している人たちのことを指す。

少し前に流行ったSOHO(Small Office/Home Office)〜つまり「小さなオフィスや自宅などでビジネスを行っている会社、個人」〜より、もう一歩自由度の高い概念と言えるだろう。何しろ、事務所の大きさなどは問題にせず、事務所は要らぬ・どこでもOKというわけだから。

SOHOのノウハウ本・応援本のような本は沢山あるので、これも同じ類の本だろうと思ってなんとなく手にした。「これからも都市部にオフィスが集中して、みんな満員電車で通勤する社会は変わらないわけだけど、僕ら/私たちは(例外として/特権的に)のんびり働けるように頑張ろう!」と言った感じの本だろうと。

どっこい、予想とはだいぶ違った。

(まえがきから引用)
1990年代に始まった終身雇用制の崩壊、そして日本の就業についての構造変化が、ついに総仕上げの時期にきているということになる可能性があるからです。
それはどんな社会の幕開けなのでしょうか。端的に言えば、こういうことです。
正規雇用が消滅していき、すべての人々が契約社員やフリーランスとなる社会へ。会社に頼っていれば何とかなった時代から、自分自身で人生を切り拓かなければならない時代へ。そんな社会をだれも望んでいないって?そうかもしれません。しかしこの変化は否応なくやってきています。
だったら私たちは、この状況を何とか乗り切るだけの知恵をつけておかなければなりません。

つまり、限られた個人のこだわりの生き方ではなく、社会構造の変化を乗り切るための生き方として、すべての社会人(特にホワイトカラー)に対して「ノマドワーキング」を呼びかける刺激的な本なのだ。

「正規雇用が消滅していき、すべての人々が契約社員やフリーランスとなる社会」。遅かれ早かれそんな時代になるだろうというのは日々肌で感じているので、とても共感できる部分が多かった。

本の構成としては、8割くらいを、「生き抜く」ためのインフラ、課題解決のノウハウの説明に費やしている。例えば、以下。

■ノマドワークスタイルを支える3つのインフラ

  • ブロードバンド
  • サードプレイス
  • クラウド

■ノマドワークスタイルを実践するための3つのコントロール

  • アテンション(注意力、集中力)をコントロールする。
  • 情報をコントロールする。
  • 仲間とのコラボレーション(連携、協調)をコントロールする。

3つのインフラを整えるのは、そんなに難しくないだろう。だけど、3つのコントロールは、かなりハードルが高い。

僕も忙しい時は、1か月の半分くらい出張に出ていることがあるので、半分くらいノマドワーキングをしているわけだけど、この3つのコントロールを完全にこなすのはかなりの修業が必要だとつくづく感じている。

一朝一夕でできることではない。

この本は少し早く出すぎた感もあるが、できるだけ早く社会構造の変化への適応の備えをするためには、ちょうど良いタイミングかもしれない。

関心を持たれた方はぜひ読んでみてください。