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日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

問題を生きる

名古屋大学の高野先生のブログに書かれていた言葉が心に残った。

問題を生きる。

 答えを生きたいのはやまやまである。しかし、普通の人間にできることは問題を生きることだと思う。問題を意識しつつ、少しずつ反省しつつ、業の深さを思い知りながら、日々を暮らすということ。そしてすぐに解決できないと知りつつ、ささやかな努力を積み重ねるということ。
 その時代時代に生きるべき問題がある。それをしっかりと生きることで次の世代に次の時代の問題をバトンタッチしていく。古来人々はそうやって生きてきたし、これからもそうやって生きていくのだと思う。
答えを生きる・問題を生きる - だいずせんせいの持続性学入門

先生の文章を読んで、ああ、自分は、今まさに「問題を生きる」人生を歩き始めているのだなと、腑に落ちた。

その現実から目を背けるように、休みごとに、日本中を旅した。北海道から沖縄まで。はては東南アジアや東欧にまで。変わることのない理想の土地を探し求めた。
柏という街 - 日本再発見ノート Rediscover Japan.

大学時代は、「答えを生きる」人生をひたすら追い求めていた4年間だった。

理想を追い求め続け、現実から逃げに逃げて、そして、最後に観念した。

なかった。どこも、同じだった。
この現実に向き合うしかないと、腹をくくるしかなかった。
腹をくくったのはいつだったろうか。大学院の1回生くらいのとき?だとすれば、8年間(高校3年間、浪人1年間、大学4年間)も目を背けていたわけだ。
柏という街 - 日本再発見ノート Rediscover Japan.

「問題を生きる」人生を選んで、正直言って、挫折感がないわけではない。

今も、「答えを生きる」ことに対する淡い憧れは持ち続けている。自給自足、晴耕雨読、田舎暮らし・・・ああ、なんていい響きだろう。

でも、後悔はしていない。

私が住む柏という街は、そして私が働く東京という大都会は、そして、仕事で通う農山村は、本当に「問題」に溢れている。この「持続不可能」な状況から逃げない、目をそらさない。

海外での少年時代、そして大学時代の旅の中で、もう嫌という程見てきた。山奥や海辺の小さな美しい村に、「理想郷」を求める人々が押し寄せ、開発しつくし、その理想を食い尽くして、使い捨ててきたのを。

「理想郷」というのは消費するものではなく、作るもの、感じるものなのだ。今はそう思う。

そんなことを再認識させてくれた言葉に、感謝。