日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

日本の環境エネルギー政策は「三周遅れ」

日本の環境エネルギー政策は世界標準の「三周遅れ」――飯田哲也・環境エネルギー政策研究所長に聞く<下>

京都でNPO活動をしていた頃からお世話になっているISEPの飯田さんのインタビュー記事。

自分はどうしても、政府のプレスリリースや、新聞記事を鵜呑みにしてしまうところがあるが、この記事を読んでそれを深く反省させられた。

本質を見極める力。エネルギー政策に何十年も関わってこられた飯田さんだからこそ持てる強さ。自分も少しでもそこに近付きたい。

特にはっとさせられたところは以下。(備忘録として)

http://eco.nikkei.co.jp/photo/interview/iidasan/02.gif
省エネはもちろん重要なのだが、タテマエ社会の日本でよくあるように、真面目に取り組むつもりなのではなく、厳しい義務を避けるための方便でしかない。実際に、日本は省エネ先進国と声高に自慢しているが、実態はまったく違い、日本が省エネ大国というのはフィクションだ。
国(経産省)は、為替換算かつGDPあたりの全エネルギー消費の比較表を出して、日本が省エネと主張する。しかし、購買力平価ベースで見るとまるで違う。さすがにアメリカよりは良いが、EUとはほぼ同じだ。
さらに部門別で見ると、もっとはっきりする。産業部門だけで比較すると、日本はEUよりも悪く、米国と変わらないくらいだ。日本は民生部門、とりわけ家庭部門のエネルギー消費量の少なさと交通部門の少なさが、産業部門のエネルギー消費量を打ち消して、エネルギー消費全体では、一見、省エネに見えるだけなのだ。
なぜ日本の家庭はエネルギー消費量が少ないか。隙間だらけの断熱効果の悪い住宅で、全館暖房は費用や効率面でとても無理で、伝統的にもこたつやストーブなど「点暖房」だから、エネルギー消費量は少なくなる。多くの古い中小ビルも同様で、断熱二重窓すらほとんど普及していない。日本の家庭は、隙間だらけの寒い家で一家4人がどてらを着込んでコタツにあたっている風景を思い浮かべればよい。省エネではなく「貧エネ」と呼ぶべきなのだ。

(「貧エネ」は少し言いすぎかもしれませんが・・・)