日本再発見ノート Rediscover Japan. 

株式会社さとゆめ・嶋田俊平の日々の思い、出会い、発見

離島発 生き残るための10の戦略

朝からの大雨。千葉では、今日一日で、例年4月に降る雨量があるという予報も。そんななかの飛行機出張。イヤな予感はしていたが・・・

搭乗手続き直前のアナウンス「空港内待機中の高知行き○○便に落雷があったため、現在代わりの航空機を手配中です。整備等のため約1時間離陸が遅れる予定です・・・」。

はあ〜。(こんな天気の日に飛行機に乗ろうというのが間違いのような気もするが。)

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気を取り直して、島根県海士町・山内道雄町長の著「離島発 生き残るための10の戦略」を読んでいる(現在10:00@羽田)。

2月にお会いした徳島県上勝町笠松町長が「山のカリスマ町長」とすれば、山内町長は「海のカリスマ町長」と言っても良いだろう。

上勝町は、年商1000万以上のおばあちゃん続出の葉っぱビジネスや、ごみ34分別のゼロウェイスト宣言、村を挙げてのバイオマス導入などで有名。一方、海士町は「島じゃ常識 さざえカレー」、東京の大学生をワゴン車で海士町まで運んでくる(?)交流事業「AMAワゴン」などで有名。そして、どちらの町も、Iターン者が多いことで注目を集めている。

地域資源を使った商品開発、そして何よりも徹底したマーケティング。さらに、都会の人を呼び込むブランド化戦略。

海士町には行ったことがないが、色々なニュースでその取組を見聞きするにつけ、「上勝町と似ているなあ。よっぽど変わった町長がいるのかな。」と思っていたのだが、案の定。

本書を読んで感じた町長お二人の共通点。

・町を「守る」ではなく、「売り出す」姿勢。
・中小企業の社長さんばりに、自ら足で稼ぐ営業力。
・「よそ者」の使い方のうまさ。

但し、その背景にある、二つの町が置かれている危機的な財政状況も忘れてはならない。地方交付税の削減、人口流出による税収の減少、一方で膨らみ続ける地方債。現実味を帯びてくる財政再建団体転落の可能性。そんな状況の中、お二人とも、「町が生き延びるためには、やるしかない。やって当然」という覚悟で改革を進めておられるのだ。

上勝町に行ったときに感じたことであるが、そんな覚悟を持つ町長がいる町では、役場職員も、町民もみんながその覚悟を共有するようになり、町がひとつの経営体となって、高いパフォーマンスの事業を成しえるのだろう。

離島発 生き残るための10の戦略 (生活人新書)

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